ジョニー大倉 / Johnny Cool (1976) – 松木恒秀

「弾かない」松木さんだけでなく、本作での「弾く」松木さんも魅力です。

A1. ヘイ・レゲ・ブギ・ウギ
2. 昨日までは
3. 恋はつらい
4. 愛なき街角
5. ハイティーン・ガール
6. 一粒の涙(ピエロの唄)


B1. 愛しのマリータ
2. ふられたジョニー
3. 古いアルバム
4. マイ・ラブ
5. マドロスの唄




ジョニー大倉さんの'76年の作品です。伝説のロックバンド、キャロル解散後のソロ第1作となります。キャロル時代は主に作詞を担当していましたが、本作では全曲を自身が作詞・作曲しています。プロデューサーはミッキーカーティスさん、バックもミッキーさんのバンドメンバーが主体で、50曲ほど作られた中からセレクトされた曲が収録されているとのことです。
何度か書いております通り、私めは洋の東西を問わずRockはほとんど聞かず、キャロルもジョニー大倉さんのアルバムもちゃんと聴いたことがなく、大学時代のサークルの友人(亡くなられたことを知りました。合掌)がジョニー大倉さんに似ていたと言われていた程度の認識しかありませんでした。そんな私がなぜ本作を購入したかというと、裏ジャケのクレジットに松木さんの名前を発見したからで、ファンの皆さんには大変恐縮ですが不純な動機からでした。開店直後のユニオン昭和歌謡館のワゴンセールで480円でした。
初めて聴いた第一印象として、ジョニーさんの渋い風貌とは異なりハイトーン(3オクターブ出るそうです)の美声であること、とロックンロールの枠に収まらないヴァラエティに富んだ曲であったことがあり、勝手に抱いていたイメージと異なることに驚きました。


<ギターの聴きどころ>

個別曲のクレジットはありませんが、インナー掲載の大貫憲章さんとの対談の中で一部の曲について言及されており、それによると明らかに参加しているのはA2とB4です。
女性目線の歌詞が新鮮なドドンパリズムのロックンロールのA4,ギターはダブルストップを多用した(「ツインリードというか和音弾き」と書かれています。)ストラトのトレブリーな音です。またまた勝手なイメージで内海さんが弾いているのかと思いましたが、サウンドやプレイスタイルは異なれど、よくよく聴き込むといつもの松木節と共通するところがあるように感じます。
マイナーバラードのB4、イントロから泣き節が入ります(解説にはヘビーメタルロック調と書かれていますがメタルってこんな音楽?)。ジョニーさんの絶叫に寄り添うようなオブリもソロも深くリバーブをかけたストラトのハーフトーンをチョップ奏法とピッキングの強弱、チョーキングやビブラートで巧みにコントロールし、時に甘く、時に泣き叫ぶようにギターを歌わせています。70年代はストラトも使っており、野生の証明松田優作さん川島康子さんのレコードなどで聴くことが出来ますが、その中でも特に激しさを感じさせるプレイです。
ギタリストは松木さんとレギュラーバンドの山田よしのりさんの他にキャロル時代の盟友の内海利勝さん、幾見雅博さんの名前があります。A4のメロウなソロ、ロックンロールのA5やB2,B1のJazz Bossaからのロックンロールへ転ずるプレイ、B3でのJazzyなプレイも松木さんのような気もしますが、山田さんも内海さんも幾見さんもこういうプレイこなすので・・・(幾見さんはJazz-Fusionの人かと思いきや、結構RockやPopsにも参加しています)

いつもの「弾かない」松木さんも、本作での「弾く」松木さんも魅力です。ファンの方、ぜひ聴いてください。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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