秋本奈緒美 / The 20th Anniversary (1982) – 松木恒秀

A3のプレイ、絶妙な心地よさです。

A1. Enjoy Yourself
2. Silent Communication
3. Bewitched
4. Sweet Surrender
5. Misty Like The Wind


B1. Beginning
2. Why Ain't You A Bachlor?
3. Joyful Dixieland
4. Russian Roulette
5. No One Ever Loved You So




秋本奈緒美さんの'82年の作品です。当時の女性ジャズヴォーカルブームに乗って若干10代でデビューし、新人としても、このジャンルとしても異例と言えるペースで立て続けにLPをリリース(当時所属したビーイングのイケイケドンドンの戦術でもあったようです)、本作は20歳の誕生日を前に発売された3枚目となります。1stを清水靖晃さん、2ndを笹路正徳さんがプロデュース、Jazzスタンダードなどの日本語カバーをマライヤ人脈で録音されていましたが、本作は入江純さんがプロデュースし、オリジナル楽曲によるポップ寄り路線になっています。バックは超豪華な一流どころを集めており、ビーイングの勢いを感じさせます。
本作も、90年代の頭に安レコ漁りの中で裏ジャケに松木さんの名前を発見して購入しました。確か300円だったかと思います。阿川泰子さんや真梨邑ケイさんなどとともに美人Jazzシンガーとして人気を博していたことをなんとなく覚えていましたが、初めて買う秋本さんのレコードでした。本作を気に入り、その後安さもあって5枚目ぐらいまでは中古LPを購入しましたが、本作以外はほとんど聴いておりません。80年代頭は美しい女性がJazzを歌うことが重要なのであって、当時の流行は取り入れつつも、歌唱力や音楽的な充実は特に求められていなかったのだと思います。秋本さん自身もその後は女優や司会に活動の軸足を移したようです。

<ギターの聴きどころ>

インナーには参加ミュージシャンの名前がカッコ書きの参加曲とともに列記されています。お目当ての松木さんはA1とA3に参加しているようです。
スィングJazzとハードロックが交錯するA1,スィング部分のJazzyコードバッキングとロック部分のカッティングが松木さんで、ロック部分のギンギンのソロが北島さんだと思います。斬新なアレンジですが、ロック部分は不要に感じました。
メロウなA3,イントロの右の流れるようなプレイにまず痺れます。左からはコードカッティングを入れつつ、ヴォーカルに寄り添うように、しかし決して出過ぎないようにオブリを入れていてこれまた絶妙です。八木のぶおさんのハーモニカもいい感じです。とにかく心地よい1曲です。
その他の曲では、神崎 on the Roadでデビューした天野さんのA2でのオクターブを駆使したJazzyなソロとA5のオブリ(アコギではありません)、A4での秋山さんのコーラスサウンドでのプレイ、B3での宮野さんのアコギのソロなども味わい深いプレイです。
(数年前ののCD再発にあたっては某超有名ロックギタリストの参加が話題になったようですが、自分には特に興味を惹かれるところはありませんでした。)

秋本さんこの時まだ20歳前、前後の作品も無理にJazzや流行のサウンドを取り入れようとせず、この路線でいけば良かったのにと思ってしまいます。最近のシティポップブームでも取り上げられているのでしょうか?



Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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