Keiko Lee / Vitamin K (2003) - 松木恒秀

クレジット表記に拘らず嬉しいサプライズがありました。

 1. Vitamin K
2. The Wonder Of Love
3. Don't Break My Heart
4. Diamonds In The Snow
5. Forever
6. If It's Love (2003 Version)
7. The Flame
8. The Moment Of Love
9. What You Do
10. Closer To One
11. Love Is All There Is






Keiko Leeの'03年の作品です。これまでスタンダードのカバーを歌うことが多かったのですが、本作では4曲の新作とセルフカバーの自作のオリジナル曲で固め、シンガーとしてだけでなくソングライターとしても才能を発揮した意欲作です。野力さん、渡嘉敷さんなどのレギュラーメンバーに加えRichard Bonaなどのゲストが参加し、達人たちに囲まれて自身のメロディーを歌い上げています。また、本作から数曲がアニメの主題歌やCMソングに再右葉されたということですが、知りませんでした。
というのも、Keiko Leeさんは、同じく松木さん参加の"In Essence"で初めてちゃんと聴いたため、それまでQueenの曲を車のCMでやっている人、程度の認識しかありませんでした。"In Essence"で、選曲のセンスもヴォーカルも、バックの演奏も気に入ったため、CDを集め始めました。(その頃はブームが落ち着いていたのか、ほとんどをUnionのセール棚かBook Offの均一安棚から購入しました)
本作は開けてびっくり、松木さん参加でした。
なお、当時流行りのSACDとのハイブリッド版とのことですが、専用プレイヤーを持っていないため恩恵に預かることができず、音の違いは未だにわからずじまいです。(その当時オーディオ評論家がベタ褒めしていましたがそんなに違うのでしょうか?今更買いませんが)



<ギターの聴きどころ>

インナーには個別曲のクレジットがあり、松木さんは5と7にスペシャルゲストとして参加していると書かれています。CDの便利機能を活かし、まずその2曲を聴きます。
しっとりとしたムードのスロウ5,keikoさんの低音でハスキーなヴォーカルにマッチしています。決してシャウトせずに、しかし情感を込めて丁寧に歌っていると思って聴いていたら、いきなり右から松木さんのギターが飛び込んできます。もう、「渋い「とか「燻銀」とかの言葉では表現できない味わい深い美しさ、音の一つ一つに歌心が詰め込まれているかのようなプレイです。このブログで取り上げているギタリスト全員そうなのですが、Bluesを通った人にしか出せない味わいと思います。必要以上に弾きまくらないところがまた素晴らしい!
7,は電子音のベースで??と思いましたが、怪しげなムードで曲が進む中、エフェクト処理が強くて若干奥に引っ込み音像がぼやけて感じられますが、アルペジオ崩しや合間に挟むオブリなどいつもの松木バッキングが右から聴こえてきました。エフェクトがない方がいいのですが、この時代の音なのでしょうか?特にエンディングではたっぷりの泣きのプレイなので残念です。
2曲さきにきいたので、改めて頭から聴きます。
タイトル曲の1、ビタミンというよりは、ヤバい薬という感じです。(Vitamin Kは血液を凝固させる効能があるそうですが、私が固まってしまいました。)カオスですが、よく聴くとベテランの和田直さんのギターが以外にハマっていて飽きません。
聴き進めると、スロウの3の途中から、アルペジオ+プリングなどの松木バッキングが聴こえてきました。決して出過ぎませんが、いつも通りツボを押さえたプレイで、小音量ながら大きな存在感です。後半にいくに連れ、曲の盛り上がりに合わせてプレイも熱を帯びてきます。クレジットもう一度見返しましたが名前はなく、嬉しいサプライズでした。
9の和田さんのプレイも枯れていながらエロティシズムも感じさせる貫禄のプレイで、聴きごたえ十分です。
最近は安棚では見かけなくなりましたが、ぜひ聴いてみてください。






 



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡

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