Oscar Brown, Jr. / Movin’ On (1972) – Cornell Dupree

目立ったソロはありませんが、Dupreeのバッキングが堪能できます。

A1. A Dime Away From A Hot Dog
 2. Walk Away
 3. Feel The Fire
 4. A Ladiesman
 
 
B1. No Place To Be Somebody
 2. To Stay In Good With You
 3. Gang Bang
 4. First Lady
 5. Young Man

 
 
Oscar Brown Jr.の'72年の作品です。俳優・詩人・公民権運動活動家としても幅広く活躍したOscarですが、音楽の面でも才覚を発揮し、60年代から多くの作品を残しているようです。本作はAtlanticでの1枚目に当たり、全ての曲を自作(共作も含む)し、バックものちのスタッフのメンバーやBernard Purdie(得意のダチーチフレーズが随所で聴けます)、David Newmanなど豪華なメンバーを集め、Groove感溢れる曲をメッセージ色の強い歌詞を語りを交えながら歌っています。
本作は、ギターマガジンの2011年8月号でのDupreeの追悼記事の中で参加作100のうちの1枚として紹介され、それまで名前も聞いたことありませんでしたが、早速探し始めました。
2015年ごろようやく新宿UnionのSoul & Blues館で発見しました。ジャケットなど結構年季が入っているにもかかわらず、2,000円ぐらいでしたが、早速レジに向かいました。







<ギターの聴きどころ>

Dupreeは全曲に参加しています。(基本、A面が右、B面が左です。)
重く粘るスロウFunkのA1,Dupreeは、右から独特のリズム感で「弾きすぎない」カッティングプレイします。
A2でもドラムとベースの上に乗っかり、Wahを噛ませたカッティングで、エンディングのテンポチェンジ部はオブリを挟み、語るようなヴォーカルに絡んでいきます。
幾分軽快に感じられるA3(それでもビートは重いですが)でも、淡々とコードを刻む合間にさりげなくオブリを挟み変化をつけています。この曲でもエンディング間際にソロとまではいきませんがオブリが入ります。
A4では、コードを崩したプレイで、左のエレピとコンビネーションを作ります。クールに語るヴォーカルとバックの演奏陣のGrooveの対比が面白い効果を生んでいます。
シャッフルのB1,ファズトーンのイントロが入りますが、ヴォーカルが始まり少しするとギターのヴォリュームコントロールやピッキングの強弱で、ドライブの強さをコントロールし、ウラのカッティングに加え、チョーキングやダブルストップなどのオブリが入ったいつものdupree節になります。
女性ヴォーカルとのデュエットのB2、テンポを早めたB3もカッティングプレイです。
B4は、バッキングをオルガンに委ねたのか、Dupreeは不参加です。
哀感が漂うラストのB5は、右に戻って、コードプレイを基本としつつも、曲の進行に合わせて様々なオブリを入れてきています。コードやダブルストップのままビブラートやチョーキングを咬ます特徴的なプレイが聴けます。
アルバムを通して、リバーブの薄い乾いたサウンドが生々しさを強めています。
Oscar、自分は本作しか聴いていませんが、多方向に才能を発揮(分散?)せず、音楽に注力すればNew Soul四天王に肩を並べるポジションにいたのでは?などと勝手に想像してしまいます。他の作品もぜひ聴いてみたいと思います。





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡ 飲みながら聴くにはちょっとヘヴィな気がしました。 

↓この値段はDupree人気のせい?

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