Larry Carlton / With A Little Help From My Friends (1968)
Carltonの意欲的なデビュー盤で若さに溢れています(但し裏ジャケの写真以外)。
1. With A Little Help From My Friends
2. MacArthur Park
3. Don't You Care?
4. When Sunny Gets Blue
5. Honey
6. Monday Monday
7. Eleanor Rigby
8. The Odd Couple
9. By The Time I Get To Phoenix
10. People Get Ready
Carltonの'68年の作品です。あまり話題になることも店頭で見かけることも少ない盤ですが、正真正銘のソロデビュー盤です。Joe Passに師事し学ぶなど、Bluesと並んでJazzをルーツに持つCarlton,Wikiによれば学生でありながらサンディエゴで開かれた南カリフォルニア・ビッグ・バンド・コンテストで最優秀ソロイスト賞を受賞したそうで、コンテスト優勝の話題性と6月に急逝したWes Montogomeryの後釜狙いとしてデビューに至ったものと思われます。前年のBeatlesのビッグヒットをカバー、タイトルにも冠し、他にも最新のヒット曲をカバーするなど売れ線狙いが見え見えで、晩年のA&MでのWesのムード歌謡ならぬムードジャズ(イージーリスニニングジャズというのでしょうか?)の路線を踏襲した作りです。しかし、売れたのかどうかは定かではありません・・・・。
音楽誌の情報から本作の存在は知っていたものの、たまにLPを見かけても法外な値段、買えるわけもなく時間が過ぎていく中、90年代の後半にCD再発されたらしく、世紀が変わることに中古盤をユニオンで購入しました。それでも2,000円以上しました。
<ギターの聴きどころ>
タイトル曲の1,オクターブでのテーマ、コードソロなどもろにWesです。翌年のJoe Cockerに先駆けてカバーしたという点では、先見の名があったのでしょうか?その他の曲でもポップなメロディーをJazz的にプレイしており、あるいはRitenourやSteve Khan以上に必死にWesをコピーしていたことが想像できます。一方で決してWesの模倣だけではなく、ピック弾きならではの早いフレーズを交えたり、6でカントリーロック的なプレイを聴かせたりと、独自の個性をすでに発揮しています。一人二役のバッキングもすでに完成されています。大好きなImpressions(というよりCurtis Mayfieldの10)を4ビートでカバーするなど、斬新な取り組みもされていて、実は結構な意欲作だったりします。
サウンド的にも、Wesの影響が大ですが、フロント1発のL5とは異なり、3や6などでのクリスピーなサウンドは裏表のジャケットに写っている当時の愛機の175のセンターポジションによるものと思われます。
そして驚きなのが2点です。一つは後々長く相棒となるTerry Trotterがすでにオルガンで参加していること、もう一つは裏ジャケの七三にに髪を整え、ひげを蓄えた若き日のCarltonの勇姿?です。一体何を狙ったのでしょうか?
Emotional度 | ♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |