The James Cotton Band / 100% Cotton (1974) - Matt Murphy
70年代のBluesを象徴する名盤での完璧なバッキングです。
A1. Boogie Thing 2. One More Mile 3. All Walks Of Life 4. Creeper Creeps Again 5. Rockett 88 B1. How Long Can A Fool Go Wrong 2. I Don't Know 3. Burner 4. Fatuation 5. Fever The James Cotton Bandの'74年の作品です。Muddy Watersなどと活動していた伝統的なChicagoスタイルのハーピストであったCottonが、自らのバンドを率いてレコーディングした代表作です。16ビートのファンクや高速なBoogieのリズムを大胆に取り入れており、60年代後半の白人ロッカーのカバーによるBluesブームがひと段落した時期、新たなBluesの形を示した実験作で、多くのBluesファンに大きな衝撃を与えたようです。仕掛け人はバンマスでありアレンジも担当したMatt Murphyで、若い二人のリズム隊と共にヘヴィでタイトなリズムを作り出し、その上にCottonのキレのあるハープと野太いヴォーカルが乗り、バンドとしての一体感と疾走感を生み出しています。 廃盤扱いで入手困難だったようですが、上京した年の夏にP-VINEより再発、渋谷の芽瑠璃堂でハーピストであったバイトの松田さんの推薦もあり、視聴後即購入しました。それまで聴いていたBluesといえばB.B.系のスクイーズスタイル中心であり、Muddy以降のChicago系も齧り始めたばかりだったので、私も大きな衝撃を受けました。
<ギターの聴きどころ>
先述の通り、ギターはバンマスも務めるMatt Murphyです。映画「Blues Brothers」で Arethaの尻に敷かれる亭主役で出演したりもしていましたが、50年代からHowlin' WolfやJunior Parkerのバンドなどでセッションギタリストとして活動していました。ものすごく探究心の強い人らしくJazzやFunkなどを学び、それを自身のプレイに吸収して独自のスタイルを作り上げ、本作で結実しました。 まずA面の一連の流れで度肝を抜かれます。A1,BoogieはJohn Lee Hookerなどですでに確立されていましたが、それをここまでタイトに仕上げるとは!あえてシングルノート中心にプレイすることでリズムを引き締めています。 16ビートのA2、シングルノートとコードを使い分けたバッキングが素晴らしい! インストのA4でも低音リフやコードを自在に組み合わせ、キメのフレーズもバシッと決まります。 Memphis Rokin'スタイルのA5でも低音リフ、コードプレイとも抜群のノリの良さを感じさせます。 アップのFunk、B3でも小技を効かせながらコードプレイで駆け抜けて行きます。 一方、A3やB1,B2での伝統的なChicagoスタイルのバッキング、B4でのソウルバッキング、B5でのフリーなオブリなど幅広いスタイルを完璧に弾ききり、セッションマンとしての力量を感じさせます。 同じメンツでのライブ盤も必聴です。(私はこのライブ盤がCD再発されたのを機にCDプレイヤーを買いました) 本作では、ソロはありませんが、Memphis Slimとの共演盤やソロ作では弾きまくりのプレイも堪能できます。(ただし、ソロ作録音は'90年が初めてで、その後もほんの数枚しかリリースされていません。) バッキングもソロも完璧なプレイ、実力の割には知名度は決して高くありませんが、Bluesギターをマスターしたい方はソロ作、参加作ともぜひ聴いてください。(私は何度もトライした結果、コピーは諦めました・・・・)
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
コピー諦め度 | ❌❌❌❌❌ |
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