伊藤君子 / Standards My Way (1993) – 松木恒秀

弾かずに聴かせる松木さんのギターが素晴らしい!

 1. Autumn In New York
 2. The Shadow Of Your Smile
 3. Prelude To A Kiss
 4. You've Got A Friend
 5. Old Devil Moon
 6. Hurricane Country
 7. Wives And Lovers
 8. But Beautiful
 9. Time After Time
10. You Must Believe In Spring
11. This Masquerade
12. Moon River


伊藤君子さんのの93’年の作品です。タイトル通り、古今のスタンダードをカバーした企画盤です。過去に紹介したA Touch Of Loveも日米の豪華なミュージシャンがバックを務めていましたが、本作でも日米の豪華な顔ぶれです。A Touch Of Loveを聴いて、伊藤さんの上手さに魅せられ、他に松木さんが参加している盤はないかと思、Unionに行くたびにレコード、CD共にチェックしていました。3年後ぐらいに、ありました、帯に松木さんの名前が。他のメンバー、岡沢さん、野力さん、渡嘉敷さんも。これ、What Is Hipじゃないですか。You've Got A Friend あたりが怪しい。ギターも松木さん一人のようだし、ちょっとお高めでしたが、すぐさまレジに向かいました。
<ギターの聴きどころ>

インナー見たら、松木さんは2,4,5,6,10の5曲に参加しています。(他の曲はギター不参加です。)少し少ないかなとがっかりしつつも殺早速2曲目から聴きました。いそしぎの名で有名な映画の主題歌であり、スタンダードのこの曲では、アコギによるアルペジオです。右かと思ったらパンで左右に振っています。ギターの話題でなく恐縮ですが、90年代に入るとシンセの主流もDX-7からM1に変わってあまり機械臭さがなくなった気がします。
Carole Kingの4,昨日のPretty Perdieでも取り上げていましたが、趣が違い、こちらは原曲をよりアダルトにアレンジしています。空間の多いバックの演奏の中で、しっとりと歌い上げるケメ子さんのヴォーカルに寄り添うような松木さんのオブリが絶品です。80年代後半以降、ますます音数が少なくなっていますが、表現力はさらに豊かになっています。インナーには、この頃闘病生活をしているRichrd Teeへの応援歌としたいと書かれていて泣けてきました。
ミディアムの5、ミュージカル曲のオリジナルは聴いたことがないのですが、ペコさんはややコブシをまわしてタメを効かせた歌い方です。松木さんのイントロ、ソロのフレーズはそれ以上にコブシが回っています。バッキングもダブルストップ中心に少ない音数で盛り上げます。
ドラマティックなメロディとヴォーカルの6では、再びアコギでのバッキングです。シンプルなフレーズですが、妙に耳に残ります。
多くのカバーがある10、 オリジナルのLeon Russel、Carpenters、Benson、ケメ子さん、Marleneなどなど枚挙にいとまがないほどの数々の名唱がありますが、ペコさんの淡々としつつ静かな情熱を感じさせるヴォーカルも負けず劣らずです。松木さんはここでも少ない音数で空間を縫うようにバッキングしていて曲のムードを盛り上げます。自分なんぞは下手なくせにこういうムードの曲のある曲ではついつい余計に弾きたくなってしまいます。松木さんは、本当に弾かずに聴かせる天才だと改めて思いました。
他の曲はギターは参加していませんが、聞き覚えのあるメロディをペコさんが歌い上げていて聴きごたえがあります。最近あまり見かけませんが是非聴いてください。

Emotional度♡♡♡♡ 静かな情熱を感じます
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡         

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