グレープ / ライブ 三年坂 (1976) – 松木恒秀

予想外に?松木さんのプレイが堪能できました。

A1. オープニング・精霊流し
 2. 無縁坂
 3. 哀しみの白い影
 4. 殺風景
 5. 風と空
 
B1. 朝刊
 2. ほおずき
 3. 縁切寺
 4. 笑顔同封
 5. 追伸
 
C1. 島原の子守唄
 2. 雪の朝
 3. 掌
 4. バンコ
 5. 絵踊り
 6. 第一印象

D1. さよならコンサート
 2. 僕にまかせてください
 3. フレディもしくは三教街-ロシア租界にて-
 4. あこがれ
 5. 精霊流し


 
グレープの'76年の作品です。グレープはさだまさしさんと吉田正美さんのフォークデュオで、72年に結成され76年の解散まで6枚のシングルと3枚のスタジオアルバムを発表しています。本作は前年の’75年11月に中野サンプラザでのリサイタルが収録された実況盤で、松木さん、岡沢さん、ポンタさんなど豪華なミュージシャンやストリングスの大所帯が服部克久さんの編曲/指揮のもとバックを務めています。
私はリアルタイムでは小学校入学前に親が聴いていた「精霊流し」をなんとなく覚えていた程度です。(解散後のさださんの「檸檬」は結構インパクトが強くて、小学生ながら夜中にラジオで聴いていた記憶があります。)その後、ニューミュージックブームもあって「関白宣言」などがヒットしましたが、すでに関心がBeatlesなどに移っていて、積極的に聴くことはありませんでした。
'00年代のibookG4購入以降レコードのデジタル保存を始め、さださんのファンである田舎の毋に安レコを購入してCDを作ってプレゼントしていたりしていたのですが、その中で本作もセール箱で発掘、裏ジャケを見ると先述の通り松木さんや岡沢さんの名前があり、速攻でゲットしました。

<ギターの聴きどころ>

ライブ中、さださんもMCで語っている通りグレープといえば「精霊流し」の(物悲しいフォークの)イメージしかなく、松木さんや岡沢さん、ポンタさんの演奏が合うのかと思いつつ、早速聴きます。
時代を感じさせるナレーションに続き、オープニングでのFunkyなカッティングが入ります。「精霊流し」でも三連で2拍4拍のブラッシングのあるバッキングをしていました。
A3では2本のギターのコンビネーションです。内ジャケにはブロックの335を弾く吉田さんの写真があり、その後聴き進めていく中では、エレクトリックのパートは松木さんが左、吉田さんが右と思います。従い、この曲での粘っこいソロは松木さんと思います。(イントロの右のプレイやブラッシング多用のカッティングも松木さんっぽい気もしましたが、後での被せはないと思います)
その後も、A5のフェイザーをかけたバッキッング、B1の左右コンビでのJazzyな刻み、B4のポップなフレーズ、B5で垣間見せる松木バッキング、C4での吉田さんのリード(GaleやSantanaを彷彿とさせます)をサポートするキレのいいカッティング(この曲の後のメンバー紹介ではトップでコールされ、遊びのフレーズでレスポンスしています)、本作で最も松木さんらしいプレイであるC5、D1でのバッキングとソロ、D3でのロングトーン主体のシンプルなオブリなど、当初の不安に反して松木さんのギター面でも聴きどころがたくさんありました。今でも安箱でも割と高い頻度で見かけますので、松木さんファンの方は是非聴いてください。調べていたら、完全版のCDも出ているようなので聴いてみたいと思います。

ストーリー性のあるさださんの詞、A2は身につまされ泣けてきました。老いて音楽を聴くことも少なくなってしまった母、これまで散々心配と迷惑をかけてきましたので少しでも親孝行せねばと今更ながら思いました。

  
Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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