中原理恵 / Killing Me (1978) – 松木恒秀

クレジットはありませんがA3,A4は松木さんと思います。

A1. Killing Me (Instrumentals) 作・編曲:清水 靖晃
2. 溶けよ夢 作詞:中原 理恵、作曲:清水 靖晃、編曲:清水 靖晃・坂本 龍一
3. 個室 作詞:吉田 美奈子 / 作・編曲:山下 達郎
4. ドリーミングラブ 作詞:吉田 美奈子、作・編曲:山下 達郎
5. By Myself (わたし) 作詞:中原 理恵、作・編曲:小林 泉美


B1. 東京ららばい 作詞:松本 隆、作・編曲:筒美 京平
2. ディスコレディー 作詞:松本 隆、作・編曲:筒美 京平
3. 抱きしめたい 作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:筒美 京平・梅垣 達志
4. Sentimental Hotel 作詞:松本 隆 / 作・編曲:筒美 京平
5. マギーへの手紙 作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:鈴木 茂・梅垣 達志・萩田 光雄




中原理恵さんの'78年の作品です。シングルとして先行発売されていたB1がブレイク、続くシングルのB2も当時のディスコブームもありヒット、当時は今とは比較にならないほどステイタスの大きかったレコ大の新人賞や紅白出場を果たし、デビューより日が浅いながらスターダムにのし上がりました。2曲のシングルヒットの勢いに乗って制作されたのが本作で、吉田美奈子さん、達郎さんなど当時の新進気鋭のミュージシャン(A面)や、松本隆さんと筒美京平さんのゴールデンコンビ(B面)が楽曲を作成(曲目の後ろに記載しています)、クレジットはありませんがその人脈での腕利きのスタジオミュージシャンがバックを固めており、中原さんも新人らしからぬ艶と迫力で堂々と歌いあげています。
作家陣が異なるため、A面B面で曲調が全く異なり、A面は80年代を先取りしたようなメロウでアダルトな曲が並び、B面は70年代を引きずった少しやさぐれ感のある昭和歌謡が並びます。あえて分けたのは、今後どっちの方向で進むか(売るか)を見極めるやめ御制側の意図でしょうか?
自分は当時小学生でしたが、テレビやラジオなどで頻繁に流れていたことを記憶しています。(数年後、欽ドン!に出ていたこともなんとなく記憶しています)'00年代の頭、渋谷のレコファンの300均箱に入っていたものを同じ頃に流行っていたサーカスや渡辺真知子さんのLPなどと一緒に懐かしさから購入しました。

<ギターの聴きどころ>

A面は知っている曲もなく、特に期待していませんでしたが、作家陣を見ると先に述べた通りの豪華な顔ぶれ、特に達郎さんと吉田美奈子さんがA3,A4でコンビを組んでいるので、もしかして松木さんの参加がありうるのではと思い聴いたところ案の定、A3とA4は間違いなく松木さんと思われます。
リアルなバスドラとハイハットに続いて、ハムのフロントと思われる丸みもキレもあるカッティングが入ってきます。ドラム、ベース、パーカッションと共に抜群のGrooveです。なお、中間部のソロは、サウンドやフレージングから高中さんと思うのですがいかがでしょうか?("夏全開"の「Summertime Blues」に同じフレーズがでてきます)
MellowなA4,右からコードやシングルミュートにハンマリング、プリング、ダブルストップなどのオブリを巧みに組み合わせた松木バッキングです。この曲のようなミディアムスロウにはバッチリハマります。この曲のエレクトリックシタールは達郎さん自身が弾いていると思われます(ギターマガジン1991年10月号に写真付きでコーラル機が出ています)
メロウなA2の左のバッキングとソロも松木さんっぽさを感じるのですが、杉本喜代志さんかもしれません。
ミミさんのA5もメロウです。当時のFlying Mimi Bandのつながりで左、土方さん、右、杉本さんでは?
B面はいかにも歌謡曲という感じのギターですが、ほとんど水谷公生さんか芳野藤丸さんでしょうか?ただし、B4のギターソロはオシャレで、松木さんともちょっと似ていつつ、大村憲司さんの気がします。
全て推測ですが、多くの名手が参加していることは間違いなく、ギター好きにも楽しめるアルバムです。シティポップブームのせいか最近はいい値段のようですが、機会があったら是非聴いてください。



Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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