小林啓子 / ちょっと気分をかえて (1977) – 松木恒秀

松木さんのギターがたっぷり聴ける名作です!

 1. 気分を出してもう一度
 2. ちょうどそんな風の中
 3. ショートカット
 4. その人は誰.....
 5. 木蓮
 6. このかるい感じが好きなんです
 7. さよなら列車
 8. ふしぎな日
 9. 比叡おろし
10. レイルウェイ・ララバイ~一枚のキップから~




小林啓子さんの'77年の3rdです。当時の夫君の高橋信彦さんのプロデュースで、信彦さんの実弟の高橋幸宏さんや、その人脈での実力派ミュージシャンをバックに録音されています。小林さんは'60年代後半からフォーク歌手として活動を始め、日本のジョーン・バエズと評されたとのことですが、恥ずかしながら私は本作以外聴いたことがありませんでした。本作は、ポップス、フォーク、演歌っぽい曲などバリエーションに富んだ楽曲で構成されていますが、囁くような優しい歌い方を基本としつつも、曲調にあったヴォーカルを聴かせてくれます。
本作は、非常に人気の高い作品のようで、LP、CDとも店頭で見かけることはほとんどなく、たまに遭遇してもちょっと躊躇ってしまうようなお値段でしたが、私はラッキーにも常識的な価格でCDを手に入れることが出来ました。今でも全然値段が下がらないですね!
公式ホームページによれば、30年ぶりに活動を再開されているとのことです。

<ギターの聴きどころ>

松木さんのプレイがふんだんに聴ける貴重な作品の一つです。(アコギは吉川忠英さんと笛吹利明さんです)
重いバスドラと軽快なハットのコンビネーションで始まる1,シングルノート、コード、ハンマリング&プリング、ダブルストップ、スライドなどをごく自然に組み合わされた松木さんのバッキングがたっぷり聴けていきなり大満足です。エンディング付近ではBensonばりのオクターブ+αのプレイも聴けます。この曲は複数のアーティストがリリースしたとのことで、自分はRajieを先に聴きました。(少しテンポを落としたBossa調で、こちらもいい感じです。(ギターは鈴木茂さんです)
続く2では、軽快なビートに反してタメとチョップのイントロで入ります。ヴォーカルが入ると音程やスピードをコントロールしたチョーキングやダブルストップのスライドで盛り上げます。
3、4、6でも引き続きフリーなバッキングとチョーキングとスライドを組み合わせたオブリの絶妙さに聞き惚れてしまいます。特に4のエンディング付近でのプレイは見事というよりほかありません!
7から昭和歌謡風というか演歌風になります。7ではハーフトーン(フロントとセンター)の使用、コーラスのエフェクトなど少しサウンドを変えつつもハーモナイズドチョーキングやスライドでヴォーカルに絡んでいきます。
セルフカバーの9では左右のアコギのアルペジオの間を縫ってヴァイオリン奏法などのオブリを差し込んでいます。中盤には短いソロ?があります。しかし、この曲、八代亜紀さんが歌っても似合いそうな曲です。前半のライトさとは対照的で、アルバムとしての統一感としては??に思いました。
10もハーフトーン(センターとリア)のサウンドでのバッキングです。
ということで、ハーフトーンの使用で確信度を高めましたが、本作では松木さんのギターはインナーの写真(下部)にも写っている通りストラトのようです。前半はトーンを少し絞ったフロント、後半はハーフポジションも使っています。松木さんのサウンド、多くの場合フロントなのですが、ハムの時はトレブルを上げる、シングルの時はトレブルを絞ることで、狙ったサウンドを作っている気がします。そもそも、どんなギターを弾いても独特の松木節で、サウンドの違いはちょっとした味付けの違い程度に感じてしまいます。
しかし、このメイプル指板&ラージヘッドのストラト、この写真以外で見たことがありません。350の他に、335、テレキャス、Rickenbacker,Ibanezのセミアコ、フルアコを弾いていたようです。知りうる限りでは、2000年以降は、ヤマハのパシフィカの特注モデル(ボディがスプルース単板!)のみでした。野口五郎さんに松木さんのギター遍歴など教えて頂きたいところです。ギターマガジンさん、また特集組んでください!










Emotional度♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡ 
酒のお供度♡♡♡♡         

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