佐藤奈々子 / Funny Walkin’ (1977) – 松木恒秀

後年にない松木さんの激しいプレイが聴けます。

 1. サブタレニアン二人ぼっち
 2. トワイライト
 3. 真夜中のロックンロール・ダンス
 4. 綱渡り
 5. 赤いドレスでファニー・ウォーキン
 6. ラグタイム・フォーエヴァー
 7. ストリート・コーナー・ベティ
 8. 土曜の夜から日曜の朝へ
 9. スターダスト・ドライヴ
10. ピアニストの恋人
11. 恋にゆれて
12. 夜のイサドラ








佐藤奈々子さんの'77年のデビュー作です。まだデビュー前の佐野元春さんと共に曲作りを行い、アレンジを大野雄二さんが担当、大野さんの人脈で当時の俊英スタジオミュージシャンがバックを務めています。大野さんのアレンジと、達人たちの渋めの演奏で、Jazzテイストが強い楽曲に仕上がっており、佐藤さんの囁くような近い距離から語りかけるような気だるいヴォーカルと相まって独特の雰囲気を作っています。(自分はマリリンモンローに近いものを感じました)佐野さんとの出会いがきっかけで音楽に目覚めてからわずか数年でここまでの作品が出来上がるとは潜在的な才能を秘めていたということなのでしょうか?(自分は佐野さんの作品を全く聴いたことがないので影響度を推し量ることができませんが)
もちろんリアルタイムではなく、上京後中古LPをたびたび見かけていた(裏ジャケに松木さんの名前が出ていることも認識していました)のですが、いつもいいお値段だったので元来ケチな性分ゆえなんとなく見送っておりました。'06年にCDが再発されたタイミングで購入しました(本来アナログ派なのですが、値段に惹かれて買いました。確か2500円でした)



<ギターの聴きどころ>

インナーの裏表紙のクレジットにはレコーディングメンバーが書かれており、ギターは、エレクトリックが松木さん、徳武弘文さん、アコウティック(ママ)が杉本喜代志さん、直居隆雄さん、そして松木さんです。(CDサイズでは小さくて最早ルーペなしでは見えません)。個別曲のクレジットはありません。大野さんの作品には数多く参加している松木さんですがここではどんなプレイなのでしょうか?早速聴きます。
1、キャッチーなメロディに洗練されたアレンジ、ルパン証明シリーズよりかなりポップな印象を受けました。この曲での左の多彩なバッキング(カッティング、オブリ)は松木さんでしょう。フロントピックアップと思いますが、硬質なサウンドです。
なお、この曲はギターマガジンの2019年4月号の「シティポップを彩ったカッティングギターの名手たち」の特集に松木さんのプレイとして譜面付きで取り上げられています。
ギターと関係ありませんが、この1から次の2に続く流れ、Patti Austinの「Say you Love Me」にそっくりです。
3はタイトルと違って古いJazzでギターは左のコードの刻みです。エレかアコか微妙ですが、エレだったら松木さん?
4も古いJazz調でギターは左のアコの刻みです。どなた様でしょう?
5がR&Rで、イントロもソロもそれモンのサウンドとプレイですが、チョーキングやビブラート、9thのバッキングなどかなりBluesyです。これも松木さんと思います。ソロのところどころで、チョーキングを絞り上げるタイミングなどGaleのディストーションサウンドでのプレイと共通するものを感じました。
5の右のアコギでのBluesギター、この時代の人は、皆Bluesを通っているので御三方のうちどなたでしょう?
6は右のラグタイムっぽいアコと、左のスライド含む硬質なサウンドのカントリーっぽいエレの組み合わせです。左は徳武さんと思いますが、右は?
7も古いJazzで、右でのコードの刻み、左のオブリです。時折入るチョーキングがBluesyです。左は松木さん??マウスハープ(ママ、初めて聞く楽器名です。)はWeeping Harp妹尾さんです。
8のギターはElmore Jamesです(もちろん嘘です。)Bloom調のイントロにびっくりします。右のBluesyなプレイが松木さんで、左のシャープな刻みが徳武さんでしょう。松木さんのプレイがいつになくラフです。
9は典型的な?松木さんのプレイで、ダブルストップなどのオブリを巧みに取り混ぜたバッキングです。ソロプレイもビブラート(GaleというよりBuddy Guyに近い?)が効いていて熱っぽい感じがします。
これまたJazzぽいスロウの11でも、アコギのコンビネーションで、右が刻み、左がオブリです。直井さんと杉本さんでしょうか?
ラストもスロウです。伴奏の主体は大野御大のエレピ、アコウピ(ママ)で、ギターは右のアコウ(ママ、しつこい?)にアルペジオです。
この時期の松木さん、後年の幽玄のプレイからは想像できない激しさ、熱さがあって興味深いです。ギターは本作ではストラト使用と思います。
アナログでも持っていたい1枚、手頃な値段になったら買い足します。でも、近年の再発盤マスターテープから起こしてるんですかね?CDから落としているんだったら要りません。


























Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 何気にエレキもアコウもBluesyです
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡

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