吉田美奈子 / Twilight Zone (1977) - 松木恒秀, 大村憲司
二人の巨匠の味わい深いサウンドとプレイです。
A1. Twilight Zone (Overture) Illumination 2. 恋 3. 駆けてきたたぞがれ 4. メロディー 5. 恋は流星 B1. Uptown 2. Raspberry Slope 3. さよなら 4. Twilight Zone 吉田美奈子さんの'77年の作品です。通算5作目、RCAレーベル移籍後では4枚目のアルバムです。(RCAでは最後の作品となります。)全編吉田さん自身の作詞・作曲で、吉田さんと達郎さんによる共同プロデュース、バックも二人の人脈から錚々たるミュージシャンが担当しています。ライトメロウやシティポップの名盤として数々の音楽誌で取りあげられる有名作です。A3,A5,B1のようにSoulやFunkの影響を感じさせる曲もありつつ(達郎さんのテイスト?)、アルバム全体的としてはタイトルやジャケ写が示のイメージ通り寂寥を感じる内容です(吉田さんのテイスト?) 本作の購入は90年代の終わり頃でしたが、まだ2500円ぐらいだったかと思います。ブームが来ると1万円近くまで跳ね上がっていましたので、お買い得であったかと思います。とはいえ結構傷もあったので、04年にCD再発盤を買い足しました。2000円ぐらいでした。
<ギターの聴きどころ>
ギターは松木さんと大村憲司さんがクレジットされています。(ソロはA3が松木さん、A4とB3が憲司さんと書かれています。)松木さんは他のギタリストと共演することを好まなかったようですが、憲司さんは数少ない例外の一人のようです。二人とも大好きなギタリストで、しかも二人一緒に聴けるとは!達郎さんのおかげでしょうか? A2は右からのバッキング+オブリですが、ダブルストップやテロリロ、タメたチョーキング、ヴァイオリン奏法があり松木さん?ハーモニクス奏法も入っているので大村さん? A3は左右のコンビネーションでスタートします。左右ともDupree、Galeの影響を感じます。ソロは松木さんの記載ですが、あまりそれっぽくない?感じがしました。 A4は左の2拍4拍の刻みを基本とし変化を加えたバッキングです。エンディング付近でようやくGaleぽいソロが出てきますが、これは松木さんではなく、大村さんと記載されています。 A5も左右でのコンビネーションバッキングです。左がカッティング主体、右はカッティングやシングルミュート、後半ではオブリを取り混ぜたフリーなバッキングです。 B1では、左はフェイズサウンドでのミュート(RitenourやGaleぽい)、左はWahを使った効果音的サウンド(Wah Wah Watsonぽい)です。 スロウのB2はガットですが、クレジットには細野さんと書かれています。 B3もスロウで、ダブルストップを巧みに取り入れたコードプレイが右から聴こえてきます。後半のオブリなど、 David T.やDupreeに加えてCarltonぽさも感じます。フェイズサウンドでのソロは大村さんで、タメ、ピッキングコントロールの行き届いた泣き節です。あえて小節や拍の頭で弾かずに堪えていることで味わい深さを出しています。 本作の二人のギター、左右のバッキングなどサウンドも似通っていて、自分の駄耳では聴き分けられませんが、左が憲司さん、右が松木さんでしょうか?いずれにしても、各曲に彩りを加えつつ存在感を感じさせる味わい深いプレイです。もう二人とも鬼籍に入られたことが残念です。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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