牧ミユキ / Fly Like A Bird (1978) – 松木恒秀

外道が本命より美味しいこともあるようです。

A1. Fly Like A Bird
 2. Someone Like You
 3. ピエロになるのは誰
 4. My Blue Train
 5. 二つの椅子

 
B1. さよならの離陸
 2. Merci
 3. Crystal Eyes
 4. 風のごとく
 5. 想い出のひびも
 


 
牧ミユキさんの'78年の作品です。誰?という向きもあろうかと思いますが、ネット上の情報によれば、昭和43年本名でビクターからシングル「エキゾチック・ラブ」でデビュー、水着モデル、タレント、俳優としても活動し、昭和45年に牧ミユキと改名、同47年までNHKの「ステージ101」にレギュラー出演していた方のようです。私は当時、小学校にも入っていない子供だったため、当然リアルタイムでの記憶はありません。'05年頃安箱から購入した、町田義人さんも参加していた”キタキツネ物語”のサントラで知りました。10年近く経って、宮本典子さんのレコードをマ行で漁っていたら本作を発見、前述のサントラで名前を覚えており、本命は高額で手がでませんでしたが手ブラで帰るのも悔しいので、外道ですが本作を800円ぐらいでお持ち帰りしました。

<ギターの聴きどころ>

帯の裏側には庄野真代さんや佐藤奈々子さんの盤が記載されていたのでそっち系の音楽であろうと思いつつ、裏ジャケにはクレジットの記載がないためあまり期待はしていませんでしたが、インナーを見たら松木さん、岡沢さん、ポンタさんはじめ豪華なスタジオミュージシャン勢揃いで、しかも記号化されており驚きました。一番のお目当ての松木さんは◾️で、A1~A3,B2~B5の7曲に参加しているようです。早速聴きます。
A1,松木さんは左からフェイザーの単音オブリ、右はキレも重みもあるカッティングを重ね、メロウで爽やかな曲にGrooveを加えています。
続くA2は哀感のあるスロウで、セクシーなヴォーカルにGaleばりのタメとツッコミのオブリでレスポンスしています。
昭和Jazz歌謡のA3、ここでも右からオブリで盛り上げ、中間部には一聴して松木さんとわかるソロが聴けます。
JazzyなB2では、左に引っ越し、控えめながらダブルストップのオブリから短いながら抑揚のあるソロを続けます。弾かないところの間合いが素晴らしい!
パーカションやブラスも加わったGrrovyなB3でもシングルミュート、カッティング、タメとツッコミのオブリと大活躍です。
ちょっと”This Masquerade”っぽい始まりのB4では、オートWahを使ったサウンドで右からオブリを入れています。個人的にはエフェクト要らんのではと思います。
ラストのスロウでは、左からフリーなオブリで曲に彩りを添えています。少ない音数、小音量でも曲のムードを決めてしまう松木バッキングの真骨頂です。
思わぬ拾い物で、釣り逃した本命に勝る満足感でした。その後、店頭で見かけることはなくヤフオクなどでの値段も高騰していましたが、本記事を書くにあたって調べていたらAmazonなどの配信もあるようです。昭和Jazz歌謡が好きな方も、松木さんのファンの方もぜひ聴いてください。





Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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