Donny Hathaway / Donny Hathaway (1971) – Cornell Dupree

ソロや独特のカッティングはありませんが味わい深いバッキングです。

A1. Giving Up
 2. A Song For You
 3. Little Girl
 4. He Ain't Heavy, He's My Brother

 
B1. Magnificent Sanctuary Band
 2. She Is My Lady
 3. I Believe In Music
 4. Take A Love Song
 5. Put Your Hand In The Hand
 


 
13日はDonny Hathawayの命日でした。功績を偲んで自身の名を冠した'71年の2ndを紹介したいと思います。自作のB4を除き、Leon RusselのA2,Billy PrestonのA3などカバーや他人のペンによる曲をArif Mardinとの共同プロデュースし、N.Y.の著名なセッションミュージシャンとともにレコーディングいています。スロウが多いため、翌年の”Live”と比べると地味な印象を受けますが、クラシックも学んだ音楽の知識とバックボーンであるGospelを巧みに組み合わせたアレンジと独特なヴォーカルは名作と呼ぶに相応しい内容です。
極度にナイーブな性格だったようで、才能や名声の割には寡作だったDonny、逆に1枚1枚に凝縮されていて、駄作はありません。昨日の日曜日は一連の作品をきいていましたが、改めてその思いを強くしました。

<ギターの聴きどころ>

DupreeはB4以外に参加しています。(B4のみ参加ミュージシャンが異なり、Phil Upchurchがベースを弾いています)
本作ではソロはなく、アップの曲が少ないこともあって独特なリズムのカッティングも少しだけですが、その分、スロウでの味わい深いオブリを聴くことができます。
A1,ストリングスとDonnyの呻き?に続いて、左からディストーションサウンドが入ってきてDupree?と思いましたが、フレーズ的には間違いないようです。(60年代終わり頃〜70年代頭は、Les McCanでのプレイなど時々こういうサウンドがあります)歪量もそれほどではなく、ピッキングのニュアンスも感じられます。後半には1音半チョーキングなどの特徴的なオブリが右からも入ってきます。
A2は管弦は入っていますが、ギターは入ってないようです。非常に多くのカバーがありもはやスタンダードと言ってもいいと思いますが、ギターインストは山岸さんが教則ビデオでやっていたものしか聴いたことがありません。ドラマティックな泣きのメロディがギターに合いそうな気がするのですが。余談でした。
空間たっぷりに始まるA3、後半にようやくDupreeのギターが右から聴こえます。Chuck Raineyのベースも太い!
A4もスロウで、この曲では頭の方からコードとダブルストップのスライドなどのオブリを交えたDupreeならではのプレイがたっぷり聴けます。控えめでありながら情感たっぷりのプレイです。
数少ないアップ(というよりミディアム?)のB1、ここでは左で、コードを主体としたリフにカッティングやオブリを交えドラム、ベースとGrooveを作っています。Cissy Houstonもいるコーラス隊が迫力です。
大好きなB2,P-FunkのGeorge Clintonの作であることが意外でしたが、美しいメロディとドラマティックな展開がDonnyのヴォーカルに合っており、Joe Cockerの熱唱とはまた違う魅力があります。Dupreeは中盤にトレモロサウンドでのコード流しで右からひっそり参戦しています。と思ったら後半の盛り上がりでタメとツッコミの熱いオブリで応酬してきました。あっという間にフェイドアウトしてしまってもっと聴きたい!
やはり多くのカバーがあるB3、ここでもコードの刻みなど控えめなプレイです。Raineyのベースがオブリで遊んでいます。
GospelのB5、左から小音量で控えめにコードを刻む程度ですが、大きな存在感を感じさせます。転調後はDonnyのヴォーカルとコーラス隊にレスポンスするようにオブリを入れてきますが、またしてもすぐフェイドアウト!この曲とB2,ノーカットのテープ残ってないでしょうか?この記事を書くにあたって調べていたら、ノーカット版ではなく、2曲追加されたCDが再発されていました。(「This Christmas」と「Be There」のEPカップリング。何故?)



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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