青木智仁 – Double Face (1989) – 松木恒秀

ヴァラエティに富んだ内容の中で松木さんの渋さが際立っています。

 1. Triboro Bridge -Memories of M.K.	
 2. Mr. J.F.P	
 3. Forgive Me - Risa Interlude	
 4. Don't Ever Hurt Me	
 5. Linda	
 6. Amboseli	
 7. Risa	
 8. 砂の女	
 9. Manhattan Love Affair	
10. With A Little Help From My Friends	
11. Risa Reprise


 
青木智仁さんの'89年の作品です。角松敏生さんとの活動で脚光を浴び、本作は角松さんのプライベートレーベルからのファーストアルバムとなります。フュージョンブームが去ってリズム楽器を中心に電子化が進み、インスト作品のリリースが減る時代において、数少ないベーシストのリーダーアルバムであり、バックの達人たち含め、確かな演奏技術とセンスで中身の濃い内容になっています。
発売当時、JazzLifeやAdlibなどで絶賛されていたのですが、その頃は角松さんも青木さんもそれほど真剣に聴いておらず、当時はMarcus Millar風の新品弦によるチョッパープレイの人、という思い込みがあり、なんとなく見送ってしまいました。その後、色々と青木さんの多彩なプレイを聴くにつけ、浅はかな思い込みを後悔しましたが、時すでに遅しで、00年代の頭頃には廃盤となっていたのでしょうか、店頭でも、始まったばかりのヤフオクなどネット販売でも中古品が結構な値段で売られていました。そんな中、町田のブックオフの500均コーナーに偶然おいてあり、速攻Getしました。ネットは普及していたといえ、ブックオフの値付け担当も市場相場を一つ一つチェックしていなかったのだと思います。ラッキーでした。

<ギターの聴きどころ>

お目当ての松木さんは3.の1曲のみの参加です。CDの便利なところで、早速3曲目に飛ばします。せっかちな性分なもので、なかなか曲が始まらないなあと思いながら聴いていると10秒過ぎぐらいにエレピがフェイドインしてきて、サックスが入る少し前に微かにダブルストップが聴こえました。リズムが変わってエレピのテーマに入る前にはタメタメのチョーキングのオブリで露払いをし、その後は少ない音でコード感を演出しつオブリも交える松木バッキングに移っていきます。サックスを引き継いでソロに入ります。さきほどのオブリ同様の色気たっぷりのフレーズでスタートし、タメとツッコミで緩急を付けたフレーズを紡いでいきます。ノンエフェクトのナチュラルトーンで音量も大きくないのですが、もっと聴きたいと思わせる確かな存在感を示しています。
続く4はBobby Womackを思わせる曲調で、なんと同業者である岡沢さんにヴォーカルに専念させています。荒さと甘さを備えた相変わらずの表現力で、歌でも一本立ちできたのではと思わせる上手さです。この曲のギターは浅野さんと梶原さんですが、右のBluesyなオブリが浅野さんでしょうか?
アルバム自体が曲調もヴォーカルも演奏者(wikiにも個別曲のクレジットが出ています)もヴァラエティに富んだ内容なので、他の曲のギターにおいてもプレイヤーもサウンドもさまざまですが、自分の好みでは上記2曲で、この2曲ばかり聴いています。色々詰め込まれた幕の内弁当でも好きなオカズは決まって来るようなものでしょうか?
大変残念ながら、2枚のソロを残して青木さんは2006年に急逝されてしまいましたが、本作、最近は再発されたのかAmazonでも新品販売しているようなのでぜひ聴いてください。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
幕の内弁当度🍱🍱🍱🍱🍱

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