Kazu / Time No Longer (1981) Larry Carlton, Robben Ford, Lee Ritenour, Steve Lukather, Paul Jackson Jr.
誰も予想できないセッションギタリストの組み合わせです。
A1. Overture (Rainy Moon) 2. Sunset And The Minstrel 3. Voice From The Dark 4. Dwarfs' Workshop 5. Goblin Hunt B1. Farther On (Song From The Prison) 2. Bonfire (Centerdance) 3. The Desert 4. Time No Longer (The Great Time-Giant Wakes Up) 尺八奏者&プロデューサーとしてアメリカで活躍する松居和(Kazu Matsui)さんの'81年作品です。なんと、裏ジャケの通りの当時人気絶頂の4人のギタリスト+Paul Jackson Jr.が参加しています。Jeff Porcaro,Abraham Laborielなどギター以外のプレイヤーも錚々たる顔ぶれです。松居さんは当時渡米後まだ数年、26歳の若さでしたが既に西海岸でこれらのミュージシャンとの強い信頼関係を築いていたとのことで、進んで参加を申し出てくれたとライナーノーツに記されています。特に2年後にStanding On The Outsideでも共演するRobben Fordがギタープレイだけでなく色々な支援をしてくれたようです。 高校生の時に地元のレンタルレコード店で発見し、帯のコピーに惹かれて早速借り、カセットテープにダビングしました。かなりRock感が強いと感じましたが、その当時は友達から借りたTOTOやJourneyも聴いていたのであまり抵抗なく結構聴きました。上京後は意識的にディストーションサウンドを聴くのを避けてしまったのでいつしか存在さえも忘れていたところ、90年台の半ばにUnionのJazz館で発見、当時を思い出して購入しました。SoulやBluesなどBlack Musicとは無縁な世界ですが、上質な西海岸Rock,Fusionでギターファンには楽しめる内容です。尺八も違和感ありません。叙事詩をモチーフにしたストーリーアルバムとのことですので、それを想像しながら聴いてください、というようなことがライナーノーツに書いてあります。
<ギターの聴きどころ>
序曲というタイトルのA1ですが、Robben Fordのよく歌うギターと尺八、バスドラが印象的なJeff porcaroのドラムのコンビネーションで既に盛り上がりを感じます。 幻想的なスロウのA2ではヴォーカルのバックでのRobbenのヴァイオリン奏法が地味ながらいい味を出しています。エレピも美しいです。 本作で最もRockなA3のソロはLukatherです。疾走感のあるリズム隊をバックにオールレッドのストラトを弾きまくります。上手いなあとは思いますが、自分にはToo Muchです。いつもより激しいRobbenのプレイが大人しく聴こえます。 A5は単音バッキングからダビングによるハーモニーでよく歌うテーマ、ピッキング&フィンガリングのニュアンスが絶妙な貫禄のCarltonのギターです。自分的には本作のベストです。 B1は左右に重ねられたRobbenのアコギからスタートします。ヴォーカルのバックでのヴァイオリン奏法から泣きのソロに移ります。やはりよく歌うプレイです。 PorcaroとAbeのコンビネーションが盆踊り的な和のテイストを感じさせるB3はRitenourのプレイとのことですが、いつもの端正なプレイ、上品なサウンドとは異なりワイルドさを感じさせます。(ギターも珍しくレスポールです) 木枯らし紋次郎?と思わせるスタートのB4のアコギ、インナーを見たらPaul Jackson Jr.とのことでびっくりです。カッティングのイメージしかなかったので意外でした。いっぱい引き出し持ってるんですね。 必殺仕事人?と思わせるスタートのB5では、Robbenのよく歌うロングトーンが美しいです。 ロングガードの初期の335とDambleアンプの組み合わせでしょうか?かなり歪みが深いですがピッキングやフィンガリングのニュアンスは感じ取れます。 この顔ぶれが勢揃いすることはないと思うので、それだけで貴重な1枚でした。その後は、皆様それぞれ自分の道に行ってしまいましたが、本作では結構共通点のあるサウンド、プレイのように感じます。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡ ちょっと重いかもです。 |
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