Wilbert Longmire / Champagne (1979) - Eric Gale
シャンペンのような甘さの中に骨太で熱い面も垣間見せます。
A1. Diane's Dilemma 2. Love's Holiday 3. Ragtown B1. Pleasure Island 2. Funshine Wilbert Longmireの'79年作品で、Tappan Zee Recordsでの2枚目となります。裏ジャケに書かれているメンバー(なぜこの4人しか書かない?スペースいっぱい空いているのに!)に加え、Harvey MasonやBrecker Bros.など有名どころが集結しています。前作の目玉焼き同様、MellowなFusionで、今回も1曲歌っています。(レーベルオーナーで、本作のプロデュースも務めるBob Jamesが第二のBensonとして売り出したかった意図が透けて見えるようです。Bensonの紹介でTappanZeeに入ったとのことですが、スターになってしまってスカウトできないBensonの代役だった?) 購入の経緯は前作のページで書いておりますが、1日違いでこちらを先に聴いています。 徐々に秋めいていい季節になってきたので、ブドウでもつまみながら聴いてください。(私はブドウも好きですが、ブドウ酒はもっと好きです。どっちかというと白派です。)
<ギターの聴きどころ>
前作参加のDupreeは今回は参加せず、Galeが単独で全曲でバックアップしています。 A1、典型的なBJ節だと思ったら作者もBJなのですね〜。主役のギターは、時にGale風の激しさを感じさせながらもL5の甘い音色で歌っています。Hugh McCrackenがギターではなく、ブルースハープで参加しています。上手いですが、どうせならJames Cottonを呼べばよかったのに・・・GaleのバッキングもBensonの時とは異なり、リラックスした雰囲気です。 A2はEW&Fのカバーです。Longmire自身がヴォーカルを取り、後半ではやはり自身のギターにヴォーカルを乗せます(これはBensonとは異なり、重ね録りと思います)。前作と比較するとBenson風の盛り上げを身につけてしまった感じで、好き嫌いが分かれるかもです。Galeのオブリを期待しましたが、コードバッキングに徹しています。 A3もBJの作です。ホーンやストリングスを駆使し駆使した大げさなアレンジも好き嫌いが分かれるかもしれません。私はどちらかというと主役の演奏を聴きたい派なのでバックの過剰な盛り上げはちょっと・・・です。前作でもそうですが、ディストーションサウンドも本人が弾いている?Galeのバッキングはパーカッションを思わせるような小刻みなリズムです。 B1は女性コーラスが入り、品の良い官能性を感じさせるMellowな曲です。主役のギターも抑揚をつけて上巻たっぷりに歌います。Galeはシングルトーンを中心とした小音量での淡々としたバッキングです。 ラストはガラリと趣が変わってFunkyに迫ります。ソロでは、駆け上がり、駆け下りの速いフレーズかなりBensonを意識したフレージングですが、徐々にGrantGreenを感じさせる繰り返し中心のフレーズに移り、Bluesyなプレイが熱さとルーツを感じさせます。(BJがボツにしなかったのが不思議なぐらいの激しさです) Galeもシングルトーン、フェイザーのカッティング、ドライブサウンドでのユニゾンなど 曲の進行に合わせたフリーなバッキングで盛り上げ、この曲だけは熱くなっている感じがします。 主役のギターは、前作と比べてもエフェクトの使用が減るなどよりストレートになった感じで、個人的にはこちらの盤の方が好みです。 この後、もう1枚よりBenson色の強い作品を1枚発表し、リリースは途絶えます。これも邪推ですが、欲のなさゆえに時流に乗り切れず、売れ線を嗅ぎ分ける力に長けたBJから使い捨てにされたように思えてなりません。メジャーから離れて、Jimmy PonderのようにJazzやBluesなどルーツに帰った作品の中で持ち前のMellowさを発揮して欲しかった人です。 なお、Tappan Zee以前の作品はいまだに見つけられません。
Emotional度 | ♡♡♡♡ B2の熱さ聴いてください |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ ルーツはBluesなのでは? |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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