Quincy Jones / Body Heat (1974) – David T. Walker, Eric Gale
物量投入大作戦、大勢のギタリストが集結する中、さすがのDavid T.!
A1. Body Heat
2. Soul Saga (Song Of The Buffalo Soldier)
3. Everything Must Change
4. Boogie Joe The Grinder
5. Reprise: Everything Must Change
B1. One Track Mind
2. Just A Man
3. Along Came Betty
4. If I Ever Lose This Heaven
Quincy Jonesの'74年の作品です。言わずと知れた大御所プロデューサーで数多くのヒット作を世に出してきましたが、本作の成功によりその地位を確立しました。内容的には、Leon WareやMinnie RipertonなどのSoulシンガーをフューチャー、プレイヤーもブラック系を中心とした錚々たるミュージシャンを集め物量大投入を始めるとともに、Jazz路線からSoul路線へと舵を切り、その後のSoul Jazzの興隆の礎となった作品と言われています。
記憶を辿ると、'90年代の頭に”Stuff Like That”と安箱で巡り会って以降、Gale参加やDavid T.参加目当てにQuincy(およびプロデュース作品)を集め始め、本作も比較的早い時期に購入しました。"Stuff~"同様、豪華なメンバーに先ず驚き、聴いてみて贅沢な使い方(もったいない使い方)にまた驚きました。
<ギターの聴きどころ>
ギターは、Arthur Adams, David T. Walker, Dennis Coffey, Eric Gayle(スペルが間違っているところは愛嬌でしょうか), "Wah Wah" Watson, Phil Upchurchが名を連ねています。いずれも、Funk,Soul,Jazzをまたにかけて活躍する売れっ子で、Black Musicの歴史を作ってきた面々です(Dennis Coffeyは白人ですが、David T.同様、トンガリByrdlandを主に使用し、TempsなどMotown系のサイケFunkを中心に活躍しました)。個別曲のクレジットはなく、お目当てのDavid T.、Galeはどこに参加しているのを確認すべく早速聴きました。
まず、David T.、聴く限り、A1とB4に参加しています。
A1、イントロより左から粘っこいフレーズが入ってきます。その後は小音量ながらダブルストップやチョーキング、チョップ奏法などを駆使して絡みつくようなフレーズがフリーに出たり入ったりしています。なお、この曲はヴォーカルを取っているLeon Wareも、David T.も後にカバーしています。
ラストのB1も、イントロのダブルストップのグリッサンドから飛ばし、低音部から高音部まで縦横無尽に渡り歩くバネの効いたプレイで迫ります。タイミングやタッチなど絶妙で、真似しきれないプレイです。この曲もカバーが多く、先日亡くなったSergio Mendes(R.I.P.)のバージョンにはDavid T.が参加しています(Nancy WilsonのカバーにはRPJとWWWが参加しています)。A1のカバーともども聴き比べてみてください。本作でのDavid T.のプレイはメロウ面よりもファンキー面を前面に出したパーカッシブなプレイが特徴と思います。
GaleはQuincy自らが歌うB2のイントロとアウトロの右のワイルドなプレイでしょうか?
この曲の左や、A1などのシングルミュートを主としたモジュレーションサウンドはクセが弱いので違うと思います。B3の右のカッティングは若干ザクザク感が足りない気がしますが、Galeでしょうか?
そうするとその他の曲がAdamsとCoffeyとWatson,Upchurchということになりますが、A2の右とA4の左右、B2のセンターのカッティングはWatson、B1の右のファズはCoffeyと思いますが、あとは誰が弾いていてもおかしくないように思います(つまり分からない!・・・)。Upchurchはどこ?Quincy御大、あえてクセを出さないように指示しているのでしょうか?これだけの面々の贅沢な使い方、もっと多く弾かせて個性を発揮させればいいのに!その中でもDavid T.は自分を貫いていて流石です。
皆様もぜひ聴き分けていただいて、正解がわかったら教えてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡ |
勿体無いオバケが出る度 | 👻👻👻👻👻 |
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