Alice Clark / Alice Clark (1972) -Cornell Dupree

名作で渋く光る燻銀のバッキングです。

 1. I Keep It Hid
2. Looking At Life
3. Don't Worry Why
4. Maybe This Time
5. Never Did I Stop Loving You
6. Charms Of The Arms Of Love
7. Don't You Care
8. It Takes Too Long To Learn To Live Alone
9. Hard Hard Promises
10. Hey Girl




Alice Clarkの'72年の作品です。'90年代のFree SoulやRare Grooveの中で注目されたUSのSoulシンガーですがLP単位では本作しかなく、今でこそWikiにも情報が記載されていますが、未だに詳細なプロフィールなどもわかっていないようです。(私がバイブルとしていた’91年発売のUSブラックディスクガイドにも掲載されておりません。)本作はN.Y.のJazz系レーベルのMaistreamよりリリースされており、私が購入した時点(CD復刻いただいたP-Vine社には深謝です)でも、ライナノーツによればPurdieやDupreeの参加を推察しているものの参加ミュージシャンはギターのTed Dunbarなど一部を除き不明とのことでした。セールス的な不振からこれ以上の録音がされなかったとのことですが、適度にポップな曲、機微を感じさせる表現力に満ちたヴォーカル、当時の最高のミュージシャンを集めた充実したバックの演奏、このアルバムとシングル2枚しかないとは残念です。

<ギターの聴きどころ>

ギターは左右から聞こえます。1曲が短いこともあり、ソロはありません。左はカッティングやコード流しの合間にオブリを挟んだバッキング、ArethaMargie Josephなどで聴かれるものと同様のプレイ、間違いなくDupreeです。特にダブルストップのグリッサンドやハーモナイズドチョーキングは音色、タイミングとも独特の味わいで痺れます。従い右がTed Dunbarだと思われます。Dupreeと同郷のTexas出身で5歳年上です。二人のコンビネーションも抜群です。Dupreeが独自のバッキング、オブリであるのに対し、オーソドックスなバッキングと10で聴かれるような音数の多いオブリです。ソロ作も数枚出しているようなので探して聴きたいと思います。

本作、Atlanticあたりから出していれば、あるいはしっかりそプロモーションができていれば、その後のAliceの人生もSoul界の勢力図も変わっていたのではないかと思わせる名作です。ぜひ聴いてみてください。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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