Bel-Air / Champagne Breakfast (1990) - Eric Gale, Paul Jackson Jr.

売れ方も消え方もバブリーです。8は毎年恒例のX'mas便乗ですみません。

1  Traces Of Snow (なごり雪)
2 Without You
3 I Can’t Stop The Loneliness (悲しみがとまらない)
4 Soft Touch
5 You Make Me Feel Brand New
6 Miracle Of Love (愛の奇跡)
7 This Time It’s Really Love
8 Christmas Eve (クリスマス・イブ)
9 Too Far Away




Bel Airの'90年の作品です。時はまだバブルの絶頂、音楽は男女の華やかな恋を彩るBGMとして大量生産、活用(無駄遣い?)されており、洋楽ヒットに飛びつくだけではもはや没個性、ジャパンマネーに物を言わせて日本の曲を海外のアーチストにカバーさせるという快挙(もしくは暴挙?)の先駆けとなり、A.S.A.P.に続いて話題になった1枚と記憶します。仕掛け人もA.S.A.P.と同じく兼松Flash光氏、前々年、前年の"Norwegian Wood"、"Norwegian Wood Ⅱ"の勢いを持続させ、Jeff Loberを音楽監督とし、豪華なセッションマンを集めて海外レコーディングされています。イルカやヒとロザンナなど、最新ヒット曲だけにとどまらず、また洋楽カバーも取り混ぜて変化をつけるなど、さすがの手法です。
発売当時、GaleやPJJなどの参加も音楽誌での紹介で知ったのですが、オールラウンドサークルに所属しポパイやホットドッグプレスを読んでいるような輩と一緒になりたくないという若気の至りによる拗れた偏見から買いませんでした。(A.S.A.Pの1枚目は人気が出る前だったので、David T.の参加もあり発売日を待って新品購入しました)
約15年後に、ブックオフの100均棚で発掘、めでたく購入となりました。自分が大人になったせいもあるのでしょうが、偏狭な先入観を除いて聴いてみると、軽さは否めないものの悪くない内容でした。アレンジやバックのサウンドはA.S.A.Pと全く一緒でしたが!

<ギターの聴きどころ>

豪華なインナーには参加ミュージシャンのクレジットが記載されており、確かに豪華なメンツで改めて驚きました。しかし、個別曲のクレジットはなく、どの曲にお目当てのGaleが参加しているのかはわかりません。
邪推ながら、スノッブな購入者にとって「海外の有名ミュージシャンが参加」というところが本作のステイタスとして重要なのであって、どの曲でどんなプレイをしているのかは関心がないことは、兼松Flash光氏も、6ページにわたるライナーノーツを書いた高橋竜一氏も見抜いており、大量の余白があるにも関わらず、あえて記載しなかったのでしょう。
ということで、結果を先に述べますとGaleは、9への1曲のみの参加でした。伊東薫さんで、タイトルや内容を変えて多くのカバーがあります(私は水越恵子さんのスロウバージョンで知りました)。途中からバックが入り、盛り上げ系ミディアムスロウに生まれ変わった曲で、突如、タメとツッコミのGale節が切り込んできます。デュエットでエンディングに向かうところで再び登場し、ペンタで押し切ったままフェイドアウトしていきます。練られたアレンジの中では浮いた感もありつつ、おしゃれにしたいスタッフの意向など意にも介さずおそらく一発録りで我が道を行く男らしさを感じます、惜しむらくはライン録りのチープなサウンドですが、ここにもスタッフの音に関するこだわりの無さが透けて見えて興味深いところです。親に買ってもらったBMWで海辺にドライブに来た二人が、♂「Galeのギター、相変わらずBluesyだろ」♀「でもライン録りでチープなのが残念ね」などという会話はしないでしょうから!
その他の曲では、1、2、4などでのチャリーン、チキチキがPJJ、6でのミュートとカッティングの組み合わせがDavid Williamsでしょうか?いかにも、という感じの選曲の3,5と8は二人のコンビネーションと思います。3の歪みソロはPJJでしょうか?Ritenourは何処?1の左のアルペジオ?名前を載せることが大事?
飛びつくのも使い道がなくなって売られるのも早かったようで、今でも、Amazonやヤフオクで叩き売られています。Galeの男気をぜひ聴いてください。
Bel-Air、この後続けて同類のアルバムを出してシーンから消えました。もしかしてですが、時代がひとまわりして、再度もてはやされてもいいような気もします。





Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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