Danny Peck – Heart And Soul (1977) – Larry Carlton

ストレートなサウンドをCarltonは控えめに彩ります。

A1. Halo Of Fire
 2. Looking So Hard
 3. The Smoke Is Rising
 4. Dream Girl
 5.Brother Of Mine
 
 
B1. This Could Be A Real Nice Place
 2. I Do
 3. Take Your Baby Home
 4. That's The Way It Is
 5. Where Is My Heart



 
 
U.S.A.のシンガーソングライターDanny Peck の'77年の作品です。本作がデビュー作ながら、David Fosterのアレンジの元、その人脈によるメンバーや、TOTO勢など、後のAORを作り上げた豪華な顔ぶれがバックアップしています。David Fosterに対してはキラキラおしゃれ楽曲プロデューサーのイメージがあるのですが、本作では骨太な主役のヴォーカルを生かすべく、アコースティック感を重視したシンプルなアレンジ主体になっています。(それでも甘さや苦さなどAOR的要素を随所に取り入れているところはさすがです)
本作は、下北Unionで2010年代に不定期でやっていた100円均一レコードセール(袋もなく、床に500枚ぐらい直置き)で入手しました。袋がないため、裏ジャケだけではなく、インナーまで見ることができたので参加ミュージシャンのチェックにはうってつけのセールでした。1枚1枚チェックしている中、ボロいジャケットからボロいインナーを引っ張り出して本作を見たところ、個別曲のクレジットがありなんと先のメンバーに混じって、Carltonの名前を発見しました。いつもこのセールでは20枚以上まとめて買うのですが、この日はその後の探索を取りやめ、それまで目をつけた数枚とともにレジに向かいました。




<ギターの聴きどころ>

クレジットによるとCarltonはA2とA3の2曲に参加しています。
A2,イントロからのアコギはDanny自身のプレイのようで、Carltonはヴォーカルのバックで左から控えめにヴァイオリン奏法を入れてきます。中間のソロでは珍しくスライドバーによるプレイが聴けますが、オーバーダブによるハモリなど、Carltonならではの味も出しています。
A3は、Funk風味もあるPopwelのベースが印象的な弾むミディアムで、ギターはCarltonと、プロデュースも担当しているJay Lewisですが、右のカッティングがJay Lewisで、左右から効果音的にところどころ入るドライブサウンドでのロングトーンのオブリがCarltonと思います。2曲とももっと聴きたいと思わせる焦らしの参加です。
Carltonの抑えたプレイを補うかのように、LukatherとJay Graydonが熱いプレイを聴かせます。LukatherはA5でディストーションサウンドで振幅の大きいビブラートを多用した激情のオブリを入れています。Carltonの影響が大きいと思いますが、よりワイルドです。この時まだ20歳、早熟の天才だったようです。
B1でのGraydonは、重ねによるハーモニーで、キメの多さに対応しながら華麗にプレイしています。数年後のAirPlayを先取りするかのようなプレイです。
でも、本作のギターで最も目立っているのは、本人が弾いているであろうアコギのシンプルなプレイでしょうか?
ソウルフルな声とストレートなサウンド、過剰なアレンジや、オシャレの押し売りがなく、AORが甘すぎるという方にはぴったりなのではないでしょうか?その後、数枚のアルバムを残してシーンから消えてしまったようですが、本作に現れているような真っ直ぐさが音楽業界に馴染めなかったのでしょうか?





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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