David Ruffin / Everything’s Coming Up Love (1976) – Eric Gale

Galeの濃さを凌駕する特濃ヴォーカル

A1. Discover Me
 2. First Round Knock-Out
 3. Good Good Times
 4. On And Off
 
B1. Ready, Willing And Able
 2. Everything's Coming Up Love
 3. Let's Get Into Something
 4. Until We Said Goodbye



David Ruffinの'76年のMotownの作品です。Ruffinは、The Temptationsのリードシンガーとして有名で、在籍期間こそ4年と長くありませんが、My Girlをはじめ多くのヒット曲で熱唱を残しています。その太くたくましい声は、ハリ、ツヤ、粘りがハンパなく、一方で甘さや陰翳もあって、豊かな表現力と相まってどの楽曲も自分の色に染めながら最高のものに昇華させています。彼の声そのものがもはや一つの芸術と感じております。メロディを崩してまるで自分に酔ってるかの如く好き勝手に歌うところも型にはまらない格好良さがあります。(キムタクもRuffinの唱法に多大な影響を受けたのではないかと勝手に思っております)私めの最も好きなシンガーの一人です。レコードは高いものも安いものもありましたが、必死で集めました。本作は、その中でも、裏ジャケにも記載されているとおりStuffのメンバーがバックアップしているにもかかわらず(Dupreeがいないことが残念ですが)Ruffinのレコードではむしろ安い方で、見つけたその場で迷うことなく購入しました。ジャケットも真っ赤な薔薇と黒の背景とのコントラストが素敵です。プロデューサーのVan McCoyがこの頃のブームに便乗してな軟弱なディスコティックをRuffinにやらせるのではという不安もありましたが、それっぽい曲もありつつも、RuffinのヴォーカルとStuffの演奏は凡百のDiscoとは一線を画しています。
その豊かな才能の反面、強烈なエゴのためトラブルも多く、破天荒な生活が続き50歳でなくなってしまい、早すぎる死が悔やまれます(これまた大好きなGuitar Slimと声も生き様も似ているように思っています。)太く短く生きたであろう生涯の中で残された名作の数々は色あせることなく、聴き続けて行きたいと思います。

未発表盤がレコード二枚組で出ました。早速聴きました。凄い!の一言に尽きます。ちょっとサイケもあるけど。

<聴きどころ>

ギターは、Eric Gale,Hugh McCrackenと記載されています。 右がGale、左がMcCrackenと思います。
A1.手堅くウラのカッティングをしているかと思いきや、フェイドアウト間際にオクターブで主メロとユニゾンします。
A2.もカッティングにオクターブやWah Wah Watson風のパーカッシブなフレイズを交え、数を数えただけでも大迫力のRuffinのヴォーカルに触発されたのかいつも以上に熱いプレイです。
A3.A4.では、イントロから粘っこいチョーキングを交えたGale節が聴けます。A4はちょっとチューニングが微妙な気がしますがご愛嬌でしょうか?
B1.B2ではオクターブを効果的に使ったカッティングやオブリが印象的です。
歌が熱すぎるラストも、多彩なバッキングパターンから、最後はチョーキングを繰り出します。
しかし、アルバムを通して、濃ゆいGaleのギターを圧倒的に凌駕する特濃圧縮のRuffinのヴォーカル、本作でも圧巻です。
次のIn My Strideでは、GaleとDupreeが参加していますのでこちらも聴いてください。(Dupreeは薄いかもです)
哀愁感を求める方は'80年のGentleman Ruffin を聴いてみてください。
(特濃が好きな方はGuitar Slimも聴いてみてください。)



Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡ 

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