Etta James / Deep In The Night (1978) – Cornell Dupree, Larry Carlton

珍しいDupreeとCarltonの共演です。

A1. Laying Beside You
 2. Piece Of My Heart
 3. Only Women Bleed
 4. Take It To The Limit
 5. Deep In The Night

B1. Lovesick Blues
 2. Strange Man
 3. Sugar On The Floor
 4. Sweet Touch Of Love
 5. Blind Girl


 
シャウト系Deep Soulの歌姫と東西のセッションミュージシャン(Chuck Rainey(b),Jeff Porcaro(ds),Richard Tee(key)など)との’78年の作品です。etta Jamesは大好きなシンガーの一人で、この盤は馬場の中古レコード屋で裏ジャケのメンバーを見て即買いしました。(値段も3桁だったと思います。)時代なのか、Alice Cooper (A3)やEagles(A4)のカバーなどもありますが、彼女の強烈な個性に上書きされており、オリジナルが霞む程です。熱唱が空回りに聴こえてしまうところもありますが、不器用ながらひたむきな姿勢はI'd Rather Go Blind の歌詞の通りです。一方で時折垣間見せる弱さや脆さが人間臭さを感じさせ、自身の決してなだらかではなかった道のりが、歌唱にも陰影をつけているように感じられます。なんとなく、天童よしみさんと共通するところがあるように感じます。
I'd Rather Go Blind は、B5で曲名をちょっと変えてセルフカバーしています。
この曲は、Koko Tayror のバージョンも是非聴いてください。(ライブもスタジオ盤も)


<ギターの聴きどころ>

DupreeとCarltonが共演しているので、Bluesyなプレイがたっぷり聴けるのかなと思いましたが、針を落としてみると、長いソロもなく、特にCarltonの存在が感じられず、ちょっと肩透かしを喰らったように感じ、しばらくはレコード棚にしまったままでした。(まだ20歳になったばかりの頃なので)しかし、徐々にオーディオ装置をグレードアップし、改めて聴いてみると印象が全く変わりました。バックの達人たちは無駄な音を出しておらず、ひたすらEttaのヴォーカルを盛り立てるため、裏方に徹していることに気づきました。
基本的に右がDupree, 左がCarltonですが、時々切り替わるような気もします。二人とも、ボリューム奏法や指弾きをしていて、似ている感じがあります。(もちろん、Carltonが寄せています)Carltonは、Dean ParksのようにDupreeのオブリの場所を作るために裏方の裏方に徹しているかと思いきや、時々自己主張もするのが面白いところです。細かく聴き出すと、練られたコンビネーションであることがわかります。しかし、アンサンブル重視の達人たちの演奏をあえて分解するような聴き方はよく無いですね。掘り下げるのはやめて、Deepな世界に身を委ねるのが正しい聴き方かもしれません。


Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡ 

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