Johnny Hammond / Breakout (1971) – Eric Gale

濃い熱さ(暑さ)の中にクールな刺激があります。

 1. It's Too Late
 2. Workin' On A Groovy Thing
 3. Never Can Say Goodbye
 4. Blues Selah
 5. Breakout

 


 
Johnny Hammondの'71年の作品です。CTIの姉妹レーベルとして創設されたKUDUの記念すべき第一作で、プロデューサーはもちろんCreed Taylor、テナーにGrover Washington Jr.、アルトにハンクロを、ドラムには「手数王」Billy Cobhamを招き、Galeも含めた特濃のメンバーをバックに、自身の芸名?にまで冠しているようにハモンドオルガンを弾きまくっています。(Johnny "Guitar" Watsonもそうですが、楽器名を自身のネームに取り入れるところ、プレイヤーとしての自信と楽器に対する愛情が感じられ抜群にかっこいいです)1,2,3とヒット曲のカバーが続きますが、原曲の面影は残しつつも、濃いメンバーたちの熱演で、エネルギー量は100倍ぐらい増幅されているように感じます。
本作も存在は知っていたものの、なかなかアナログ盤で入手することができず、数年前にCTIシリーズの復刻1000円のCDで購入しました。ジャケットのドヤ顔も暑苦しいのでCDサイズぐらいがちょうどいいのかもしれませんが、できればアナログでも聴いてみたい気がします。

<ギターの聴きどころ>

Galeは全曲に参加し、濃くて熱いプレイを聴かせてくれます。
Carole Kingの1,原曲でのDanny Kortchmar同様のリフにコードプレイを組み合わせたバッキングで、サビでは16を強調したカッティングに切り替えていきます。原曲の短いソロもタメたプレイですが、 Galeのソロはタメもツッコミも繰り返しフレーズもピッキングの強さも恐ろしいほどの熱量です。後半はシングルノートやWahを駆使したバッキングで変化をつけ、11分近くの曲ながら長さを感じさせません。
Neil Sedakaのカバー2、スィンギーに生まれ変わっています、ここでのソロは短く音を切りながら比較的抑えめにプレイしていますが、後半ハンクロのソロにどチョップのコードを突っ込んできています。
この手のミュージシャンが多くカバーするJackson5の3,ダブルストップのバッキングが美しい、と思って聴いていたらなんとWahが・・・残念!サビの部分ではオクターブのカッティングでハンクロの吹くメロディーを盛り上げています。
4,イントロのリフからJazzyなコードでフリーなバッキングに移行し、主役からソロを引き継ぎます。ローポジションからスタートしますが、この時点で物凄いハコ鳴りです。(ボディやネック全体がビキビキ鳴っています。単板のフルアコ弾かれる方はこの感覚おわかりいただけるかと思います。)盛り上がりと共にハイポジションに移行し、ホーン陣にソロを明け渡した後も勢いが収まらず、コードバッキングにも熱さを感じます。
5もハコなりビキビキのシングルノートバッキングでスタートし、間に16のカッティングを交え硬質なサウンドで押し通します。
暑い夏の夜をさらに熱くする1枚ですが、タイプは異なるもののAlbert Collinsと同様に、灼熱の中で氷に触れたようなクールな刺激も感じられる作品です。昨夜もエアコンのないガレージでビールに氷を突っ込んで飲みながら聴きましたが実にいい感じでした。メートルが上がって二日酔いです(オヤジ表現ですみません)。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

Follow me!