Larry Carlton / Friends (1983)

Bluesyな泣きに磨きがかかった名盤です。B.B.参加!

A1. Breaking Ground
 2. South Town
 3. Tequila
 4. Blues For T.J.
 
 
B1. Song In The 5th Grade
 2. Crusin'
 3. L.A., N.Y.
 4. Friends

 
 
 


Carltonの'83年の作品です。Fusionギターブームを牽引したWarnerでの一連の作品の最終作となります。本拠地のLAのみならず、NYからも親交の深いミュージシャン、共演したいミュージシャンなど、タイトル通り「フレンズ」と共にレコーディングされています。
本作は、高校生の時、県内唯一の輸入盤を扱う店で新品で購入しました。自分自身、初めて買ったギターがセミアコ(YAMAHA SA700)であり、中学〜高校の途中まではFusionギターに夢中になっていたので、CarltonのWarner時代1枚目、2枚目を図書館やレンタルレコードで聴いており、当時のCarltonの最新作としてちょうどこのぐらいの季節に購入しました。Bluesにも興味を持ち始めていて、B.B.の"Style For Beginner"(桑田佳祐さんがライナーノーツ書いてます)や"Jungle"を買って聴いていて、本作でのB.B.の参加も興味津々でした。
輸入盤を買ったことも、値段の安さばかりではなく、大人になった気がしてちょっと得意になっていた気がします。

<ギターの聴きどころ>

1枚目2枚目のロックぽいサウンドにやや食傷気味であった時期なので、クリーントーンやBluesyな曲を含む本作は初めて聴いた時からドンピシャでした。
A1、入りはやや大袈裟ですが、Valley Artsのストラトと思われるクリーントーンからドライブサウンドへ切り替わり、意地うれもよく歌うプレイです。
A2は、ヴォリュームを抑えたピッキングニュアンスが活きたBluesyなプレイから入り、ヴォリュームをアップしてドライブ感をましたサウンドで歌います。ホーンの返しも南部の匂いを漂わせます。
カバーのA3、アコギの刻みに乗せてAljarreauがボイパで入ってきます。印象的なテーマをMichael Breckerとユニゾンし、チョーキングを中心としたソロが続きます。意表をつく選曲ですが、原曲の雰囲気を残しつつ、独自の色で染めています。
そしてB.B.御大との共演のA4です。Joe Sampleのエレピに続き、まず右からB.B.がいつものフレーズながら少し抑え目に入ります。2コーラス目から力が入り始め、愛機Lucilleが吠えます。ダイナミクスのある表現力に溢れたプレイです。 続いてCarltonです。B.B.から学んだピッキングコントロール、チョーキング、ビブラートを駆使し、フレーズを組み立てた歌心に溢れたプレイです。最後は、甘さを全面に出したプレイでエンディングとなります。バトルではなく、語らいになるところが大人の演奏です。
B1、ストラトの響きが透明感を感じさせます。ドライブが抑えめなのでニュアンスが活きたプレイです。
B2もポップなメロディをクリーントーンで紡いでいきます。Terry Trotterのエレピソロの後、ドライブトーンに変わり、伸びやかに歌いあげ、テーマに戻ります。ホーンアレンジも含めた構成もかっこいいです。
自身の本拠地とあるL.A.とBreckerの本拠地であるN.Y.をテーマにしたB3,ハードボイルドな夜の雰囲気の中、泣きまくるギターが印象的です。
ラストの美しいスロウB4、入りはBreckerに委ね、お得意のヴォリュームペダルで盛り上げます。続いて切なさを感じさせるメロディを情感たっぷりに歌い上げ、Breckerと泣きのソロを交互にプレイします。東北の秋の夕焼けによく似合う気がして、Derek & Dominosの「Bell Bottom Blues」と大村憲司さんの「When A Man Loves A Woman」とともにこの時期本当によく聴きました。
自分としては、Carltonのアルバムの中で、最もお気に入りの1枚です。聴きすぎてノイズが目立つので、買い足そうと思っていますが、昔はFusionのエサ箱でよく見たのに最近あまり見ません。
見つけたらぜひ聴いてみてください




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡  A4!
Mellow度♡♡♡♡♡  B4!
酒のお供度♡♡♡♡

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