Paul Bogush, Jr. / Expect To Hear From Me Again! (1977) – Larry Carlton

正体不明のLPですが、Rock寄りのCarltonのギターが楽しめます。

A1. Everybody In America Should Sing
2. You Cant Cry For Help
3. Mistreated
4. Ain't It Wonderful
5. Star Story


B1. Expect To Hear From Me Again
2. Simon Says
3. Me
4. Little Bit Of Understanding
5. Times Like These




Paul Bogush, Jr.の'77年の作品です。この人の素性やキャリアはJunior Laceというユニットでシングル2枚をリリースしていること、Gap MangeoneがA2をカバーしたこと以外、全くわかりませんでした。しかし、本作はCarltonがプロデュース、アレンジを担当し、一部の曲ではクルセのメンバーも参加するなどCarlton人脈で豪華な面々がバックを務めており、自作曲を艶とパンチのある声で歌い上げるヴォーカルが映え、内容もロックからバラードまでバランスよく配置された良質なAORです。部分的に声質や曲調がSteely Dan やDoobiesを彷彿とさせるところを感じました。
私も存在も名前も知りませんでしたが、'12年頃下北のユニオンの100円レコードセール(地べたに直置きするヤツです)で1枚1枚チェックしている中で、中森明菜さんやフリオイグレシアスにまぎれていた本作の裏ジャケにCarltonの名前を発見、無事救出致しました。

<ギターの聴きどころ>

個別曲のクレジットによれば、A1に盟友Dean Parksがエレクトリックで、B2にGlen Rupp(知らない人です)が12弦で参加している以外は、ギターはすべてCarltonです。
各曲で335+Boogieと思われる組み合わせでナチュラルオーバードライブでのサスティーンの聴いたサウンドを聴かせてくれています。翌年に自身の名を冠した名作ソロをリリースするCarlton、本作でも同様の音作りです。多くの曲で聴けるハモリのソロやオブリ、A4やB5でのハードなリフやソロ、どの曲でもギターを数本重ねて自在にプレイしています。数あるCarltoのセッション参加盤でここまで熱く弾きまくるのは珍しいと思います。(80年代のLukatherやGraydonとの共通するサウンドやプレイに思えます。個人的にはドライブの強さなどToo Muchな気もしますが)一方でスロウのA1での美しいアコギ、B2やB3でのよく歌うリリカルなプレイも健在で、また、練られたアレンジの中でのバッキングも渋く光ります。AOR黎明期、この後セッションを減らしていくCarltonの好プレイが溢れています。

購入して10年以上を経てネット上に多くの情報が溢れる現在、本記事を書くにあたって調べてもやはり情報が出てきません。にも拘らずなんとサブスクでも聴けるようですので、Carltonファンの方、ギター好きの方、ロック寄りのAORファンの方、ぜひ聴いてください。



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

気に入っていただけたらフォローお願いします