Robert Jr. Lockwood & Johnny Shines / Mister Blues Is Back To Stay (1981)

ギターはアンプ直に限る!

A1. For You My Love
2. My Bad Luck Soul
3. Party Time
4. I Want You To Know
5. Rockin' Free
6. Mister Blues


B1. Soul Power
2. Blues On The Hour
3. Inflation Blues
4. Stake A Claim
5. Hey Hey




Robert Jr. Lockwood & Johnny Shinesの'81年の作品です。ここれ以前にもカップリング盤などがありましたが、ここでは前年の”Hangin' On”に続くガチの共演盤です。Robert Johnsonと密な関係を持っていたタメ年の二人、同一のルーツを持ちながらもその後の方向性は大きく異なり、Mississippi Deltaのアーシーな雰囲気を直系で引き継いだShinesに対し、先進性や演奏に対する探究心を引き継いだLockwoodはJazzなどの要素も積極的に取り込み、ソロ活動のみならず、バッキングの名手としてSunny Boy Williamsonや Little Walterなど多くのレコーディングに参加しBlues界屈指のセッションギタリストとしても活躍しました。チョーキングやビブラートに頼らないいわゆるツウ好みのギタリストで、学生時代より私の周りにも信奉者がたくさんいました。(私もいちファンではありますが、いまだにコピーできず、レコードを集めて聴くだけにとどまっております)
Shinesとの共演というファンには垂涎ものの本作、なぜかユニオンのBluesのエサ箱に300円で入っていました。’15年ごろで初めて見る作品でした。Bluesもアナログも低迷した時期ではありましたが、それにしてもなぜこの値段? 記憶の範囲では数あるBluesガイドブックでも一才触れられてない作品、レアものの発見と安価を喜びつつも、疑問を持ちながらレジに向かいました。

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケには、クレジットがあり、それによるとShinesは本作ではギターは弾いてないようです(写真ではネックを握っているのですが)。目当てはLockwoodなのでそれは良しとして早速聴きます。早いシャッフルブギーのA1、Lockwoodらしいノリを感じさせヴォーカルも味わい深いものですが、とにかくギターの音が変!初めは12弦かと思いましたが、それを超越してはるかに変で、コーラス(レゾナンスを感じるのでフランジャーかもしれません)が強くかかっており、JazzyでオシャレなLookwoodならではのフレーズを台無しにしています。続くミディアムでも同様で、9thのバッキング、ソロともやはり変な音です。以下、B面は比較的抑えめであるものの、どの曲もエフェクトがかかっていて違和感大です。アルバム全体として曲やプレイ自体は悪くないので先進的すぎる?ギターサウンドが残念です。さすがBluesを知り尽くしたユニオンの店員さん、300円の値付けの理由はここにあったのでしょう。なぜこのサウンド?以下は妄想です。

RL=Robert Jr.Lockwood, JS=Johnny Shines

RL:Shines君、今回ギター弾かへんの?
JS:ギャンブルの借金のカタに持ってかれてしまってなあ、ワシはギター下手やしええわ(弾いても弾かなくてもギャラ一緒やしな)
RL:そうか・・・下手と言えばワシはビリヤード下手でなあ・・ジャケットに撮ったこないだのゲームでもビリやど!
JS:(確かにビリヤードもネタ振りも下手やなあ。みんなドン引きや。)ギターはウマいのになあ!
RL:ギターってウマいんか!自分、食べたことあるんか?
JS:あるある。隠し味でエフェクターをかけるともっと美味いで!スイカに塩かけると甘さがきわ立つような感じやなあ。
RL:エフェクターか・・・Earl Hoockerや日本の高中正義が足元に置いてたやつやな!ワシも使ってみよう!
(スタジオに偶然置いてあったフランジャーを使う)
JS:かけすぎや!アルバムわやになってしまったやないか!(ギャラでギター買い戻そう思っとんのに!)
プロデューサーのScott Billington:スタジオの抑え今日までなんだよね・・・延長の予算もないし、このまま行こう!先進的なLockwoodの新境地サウンドということで!
そして全世界10億人のBluesファンから不況を買うこととなったのでした。
※一部、木村充揮さんのネタをお借り(パクリ)しております。申し訳ありません。

異色のサウンドの本作を選んでしまいましたが、Lockwoodの作品、参加作・ソロ作とも基本的にはハズレなしなのでツウなギターを目指す方はぜひ聴いてください。




Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
ギターサウンドの違和感度😱😱😱😱😱😱😱😱😱😱😱😱
風間やんわり先生の「食べれません」をふと思い出しました。

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