石黒ケイ / 潮騒 (1979) – 松木恒秀

Jazz歌謡での控えめながら味のあるバッキングです。

A1. トランペットよ教えて
 2. シークレット・ラブ
 3. もうひとりの私
 4. もう少し
 5. 終りの時

B1. 潮騒
 2. ブルー・ウェイブ
 3. 男そして女
 4. 白い囁き
 5. ラスト・ソング


 
石黒ケイさんの'79年の3rdです。プロデュースはA面がコルゲンさん、B面が萩田光雄さんで、バックミュージシャンはお二人それぞれの人脈で集められたのでしょうか、A面はPlayers勢で固められています。
本作は、初めて買った石黒さんのLPで、裏ジャケの松木さんの名前と表ジャケの石黒さんの美しい写真と500円という価格に惹かれて購入しました。なぜか、新宿UnionのJazz館で、日本人ジャズの箱に入っておりましたが、この頃の一連の作品「歌謡Jazz]と呼ばれていたとのこと、この後の”アドリブ”や”アンダートーン”なども聴いて、合点がいきました。(全てJazz館で買いました)
どの作品も、大人の男女の濃密でイケナイ関係を中心にした歌詞とムーディーなメロディーが甘く気だるい声で歌われており、私自身は石黒さんの曲は本作で初めて聴いたのですがすでに30歳に超えていたにも関わらず、あまりの官能性、妖艶さにドキドキした記憶があります。大変失礼ながらその美貌ゆえに幸薄そうなキャラクターに見えますが、歌詞や曲調の昭和情緒と合わせて中毒性があり、重い気持ちになりつつもついつい聴いていしまいます。しかし、この作品録音時は20代になったばかりとは驚きです!
一時期、引退されていたそうですが再始動されているようです。




<ギターの聴きどころ>

松木さんはA面に参加しています。ソロはなく、控えめかつ小音量でバッキングに徹していますが、各曲とも松木さんならではの味わい深いプレイです。(アコギは主に笛吹利明さんです。)
A1は、エコーを巧みに活用した効果音的なイントロから入ります。(間奏部でもこのフレーズが登場します)物悲しい曲調ですが、渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビはGroovyなリズムの合間に、松木さんがオブリを入れています。数原晋さんのトランペットだけではなく、石黒さん自身の口トランペットも聴けます。
不倫がテーマ?のA2でも、ゆったりとした曲調の間に、ダブルストップのスライドやヴァイオリン奏法などのオブリを所々差し込んでいます。
A3では、コーラスサウンドでのRaggae調のカッティングに加え、合間にスライドや小指トリルの小技を挟んでいます。ここでも渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビがGroovyです。
スロウのA4でも、効果音的にヴァイオリン奏法を差し込み、小指トリルやダブルストップのオブリをさりげなく挟んでいきます。
A5では、コードカッティングです。ザクザクとした音の切り方が松木さんが敬愛するGaleに似ていますが、曲調に合わせたのか多少ソフトに仕上げています。
B面では、B2,B3で直居隆雄さんが、B4,B5では松原正樹さんが参加しています。B5ではオーバードライブ+コーラスの当時の流行のサウンドでソロも弾いています。(B1はクレジットありませんが松原さんでしょうか?B4のアコギソロもクレジットなしです。)
流行を積極的に取り入れる松原さんと一徹な松木さんの対比も面白いです。
松木さんは、次作の"アドリブ”にも参加しています。





Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡
薄幸の美女度♡♡♡♡♡

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