りりィ / マジェンタ (1979) – 松木恒秀

松木さんのいつものプレイもグッドですが、本作のギターの主役は今さんでしょうか。

A1. ダウンタウンの灯
 2. フェアウェル・ポイント
 3. フレンドシップ
 4. コングラチュレーション
 5. 幻を見た女たち
 
 
B1. おやしらず
 2. 明るい話でごまかさないで
 3. オープン・マインド
 4. 水鏡のなか
 5. P.S. I Love You



 
 
りりィの'79年の作品です。当時のバックバンドであったバイ・バイ・セッション・バンドのメンバー初め、スタジオミュージシャンの俊英たちを集め、独特のハスキーボイスで自作曲(詞/曲)含めた10曲を歌う上げています。りりィについては、子供の頃に「私は泣いています」がラジオでよく流れていて、まだ小学校にも入っていなかったのですが、真似して歌っていたら母親に「子供がそんな歌を歌うんじゃない」と叱られた記憶があります。(今はその意味がわかります)当時、そんなご家庭がたくさんあったのでは?
本作も'00年頃Unionで裏ジャケ買いをしていたところ、タイトル通り赤紫を基調としたジャケットが目を惹き、ふと蘇った幼い頃の苦い思い出と共にを返すと、松木さんの名前を発見!他のメンバーも豪華!しかも300円。初めて買うりりィさんのレコードでした。


<ギターの聴きどころ>

松木さんはA2,A3に今剛さんと参加しています。イントロでまず右寄りセンターにドライブサウンドでの流れるようなフレーズが耳に入ります。これは今さんだろうな〜などと思いつつよく聴いていると、その半分ぐらいの音量で左からコードにダブルストップのスライドを交える聴きなれた松木バッキングが入っています。ところどころBenson先生風のオクターブ+αのオブリも入り、右の今さんとは対照的なサウンド、プレイです。
イントロが"Melodies Of Love"("When The World Turns Blue") を思わせるA3、ここでも松木さんは左で、右の今さんとコンビです。ミュートも使用したバッキングと、ダブルストップなどのオブリのスタイルは変わりませんが、当時発売直後であったと思われるBossのコーラスをエフェクトとして使用していると思われます。これまで使っていたフェイザーとはまた違う雰囲気で、曲にマッチしています。(ない方がもっといい気もしますけど)。今さんは、これまた味わい深いバッキングとオブリ(終盤には松木さんのお株を奪うヴァイオリン奏法も登場します)でコンビネーションを作り、中間のドライブサウンドのソロも歌っています。
本作のメインギターは今さんで、A1~B2、B5の8曲に参加、芳野藤丸さんとの共演(B2)や一人での重ねでプレイしており、この時まだ20歳、スタジオの仕事も始めたばかりなのですが、素晴らしいテクニックとセンス、ギターサウンドです。(特にB1の左、Nile Rodgersっぽいサウンドでのカッティングが印象に残りました)確か、この年にparachuteの結成に参加したかと思います。
その他の曲では、B4のフェイザーサウンドによるSoulっぽいプレイが気になりました。最初、松木さんかと思ったのですがクレジット見たら杉本さんでした。他の共演作でもそうなのですが、この頃の二人のプレイスタイル、共通するところが多く、判別が難しいです。(直居隆雄さんも)
本作、基本は昭和のポップスなのですが、ギタリストにも楽しめる作品と思います。見つけたら是非聴いてください。










Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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