本田竹曠 / It’s Great Outside (1978) – Cornell Dupree, 増尾好秋

レイドバックしたムードでDupree節がたっぷり聴けます。

A1. I'll Become The Child
 2. It's Great Outside
 3. With Our Soul
 4. Son Song
 

B1. Lin's Garden Blues
 2. When The Sun Comes Up
 3. I'll Be Honest With You
 4. Dear Friend




本田竹曠さんの'79年の作品です。60年代後半からプロとしての活動を始め。渡辺貞夫さんのグループ参加を経て、本作はN.Y.で豪華なメンバーと共に録音されています。90年代の半ば頃だったかと思いますが、本作の裏ジャケにDupreeの名前を発見、1000円ぐらいだったので即購入しました。高校生の時に、レンタルレコードで借りたNative Son(田舎だったのですが何故か数枚置いていました。店員さんの趣味だったのかもしれません)のレコードを先に聴いており、(時系列的には逆で、本作リリース後にNative Sonを結成しているのですが)、本作もその延長線上的な感覚で聴いた記憶があります。その後、思い出したようにNative Sonのレコードもコンプしました。
本作はReggae調の曲などレイドバックした雰囲気ですが、本来ハードなJazzピアニストだったようで、大学のJazz研にいた友人は信奉者でした。(自分は話についていけませんでした。)本田さんは、'96年のPaul Jackson,Hi-Tide Harris,塩次伸二さんたちとの”Black Music From Jirokichi"のライブ盤にも参加しています。

<ギターの聴きどころ>

ギターは、Dupreeと増尾さんです。Dupreeは基本右です。
A1,ゆったりとしたReggaeのリズムに乗ってDupreeがコードを刻み、本田さんのエレピによるテーマが始まります。中盤、テレキャスのクリスピーなサウンドで、チョーキング、ダブルストップ、スライドなどでフィンガーボードを滑るようなソロを聴かせます。
MellowなA2では、コードやオブリを組み合わせたバッキングで、盛り上がった中盤で、タメと緩急のある味わい深いソロを弾かせます。ソロの後半はアウトフレーズやユニソンチョーキングを交えた熱いプレイのまま、フェイドアウトします。
A3はアコピのソロプレイから始まり、途中でテンポチェンジした後、細かく音を刻んだりトリッキーなチョーキングでのDupree節でのソロが入ります。後半ではWahを使い、左から増尾さんも絡んできます。Dupreeのプレイに触発されたのかのようなプレイです。
A4、A1のRepriseかと思うほど似ています。Dupreeもコード刻みの後、やはりクリスピーなサウンドでリズムの間を泳ぐような流暢で自由なソロをプレイします。A1とA4,聴くたびにB.B. Queensの「夢いっぱい」(ちびまる子ちゃんのオープニングテーマのReggaeヴァージョンです)
シリアスな雰囲気に転じたB1では、数本のギターが重ねられていますが、フランジャーサウンド(フェイザーではないと思います)でのソロがDupreeと思います。
再びMellowなB2,ここではWill Boulwareもオルガンで参加しています。中盤以降、2本のギターによるドライブトーンの掛け合いソロがありますが、これはどちらも増尾さんでしょう。他の曲では、Carltonに対するDean Parksのような増尾さんですが、ここでは思いっきり弾きまくっています。
FunkyなB3でも左右のカッティングのコンビネーションから中盤にDupreeがソロを取ります。ナチュラルトーンで始まったのでラッキーと思った途端、Wahトーンに変わりました。
美しいメロディのラストは、ピアノとアコギのデュエットですが、このギターは増尾さんでしょう。
Dupreeのカッティング、ソロともたっぷり聴くことができるのですが、特にB面でエフェクトをかけすぎていて、表現力という点では皮肉にも逆効果になっていることが残念です。マスター時の後がけであれば、生音のリマスター盤出ないですかね?



Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 何を弾いてもDupree節です。
Mellow度♡♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡♡ 

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