Fusion Super Jam (1981) – Eric Gale, Larry Coryell

二人のギター、異種格闘技対決的です。(最初と最後の曲)

A1. Fancy Frogs
 2. What Would You Do
 3. Land Of Passion
 4. Family - Listen


B1. You're My Every Need
 2. Pablo's Story
 3. Hot Fire





Aurex Jazz Festivalの2回目として開催されたFusion Super Jamの実況録音盤です。Stuffから2人、Laws兄妹など、タイトル通り、当時のFusionの多彩な顔ぶれを集めてのライブで、東京、大阪の会場で録音されています。甘党の私にしてみると、技巧派のLarry Coryellがこのメンバーに入っていることに違和感がありましたが、どのような経緯でこのメンバーが集められたのでしょうか?
Gale目当てで、Fusionの廃れていた90年代前半に、Unionの餌箱からワンコインで購入しました。現在はCDはなかなかのお値段で驚きました。
Aurexは当時の東芝のオーディオブランドで、東芝主催のこのシリーズのライブ盤が数枚出ていたと記憶します。当時の日本の電機メーカーの勢いと、オーディオブームの盛り上がりにも驚きです。(今の日本の電機メーカーの現状とオーディオの衰退に寂しさを感じます)

<ギターの聴きどころ>

ギターは右がGale,左がCoryellです。
A1は、Coryellのシャープなカッティングと、Galeの効果音的なハーモニクス(最初聴いた時はチューニングしているのかと思いました)から曲が始まり、Gaddのカウントともにリズム隊が入り、Galeもシングルノートで加わります。テーマの後、まずGaleのディストーションのかかったサウンドでの粘っこいソロが入り、続いてCoryellのソロとなります。入りのフレーズなどかなりGaleに寄せてきていて、ちょっとイメージが違いました。その後、Galeのソロが二度に渡り入ります。個人的にはこの曲での異種格闘技的なギター対決は技より力でねじ伏せるようなGaleの圧勝と思っています。
A2はGaleのシングルミュートからスタートし、フルートのテーマのバックでは、Coryellと共にコードバッキングに移ります。リハもそこそこだったと思われますが、見事なコンビネーションはさすがです。この曲ではGaleが短いソロを取ります。
叙情的なA3では、フルートのしっとりとしたテーマに、二人とも控えめにバッキングをしています。Coryellはハーモニクス奏法など小技もちりばめているのに対し、Galeは至ってシンプルなプレイです。
タイトル通りの実妹の歌う4、ここでも二人のギターのコンビネーションが聴けますが、左のCoryellは音を刻みすぎる気がします。なお、スタジオ盤では、David T.と Ron Muldrowなるギタリストがコンビネーション(と言っていいのかというほどDavid T.が自由すぎますが)で弾いています。
Mellowな味わいのあるTeeのB1でも二人のコンビカッティングですが、やはりここは盟友のGaleがハマっている気がします。リズムを気にしないGale節のソロも歪みすぎですが味わい深さを感じます。(ライナーノーツにはCorylellのソロ、と書かれていますが200%Galeです)
CoruellのアコギがフューチャーされたB2、やっと本領発揮の気がしました(好きか嫌いかは別として)。Galeは淡々とリズムを刻みます。
ラストのB3のCoryellの弾くギターのテーマ、オリジナルのFuse OneではGaleが弾いていました。このライブでは最初Carlos Santanaがゲストで弾いているかと思いました。中盤のGaleのソロは辿々しさを感じました。余りこういう曲は向かないのでは?長いドラムソロを挟んで、テーマに戻り曲が終わります。
Jamなので、メンバーの人選含め統一性は感じられず散漫な印象も受けたのですが、こういう盤では即興性を楽しむべきなんでしょう。
Family繋がりでDavid T.を呼べばよかったのに、などと妄想してしまいます。





Emotional度♡♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡ 

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