Joe Farrell / La Catedral Y El Toro (1977) – Eric Gale

曲調に合わせたGaleの多面的なプレイです。でもA3のソロは歪すぎでは?

A1. La Catedral Y El Toro
 2. Promise Me Your Love
 3. Disco Dust


B1. Cyclone Rider
 2. Is It Asking Too Much
 3. Imagine Me





Joe Farrell の'77年の作品です。70年代頭にChick Coreaの Return To Foreverのサックス奏者として活躍し、CTIから数枚のLPをリリースした後、Warnerに移籍、プロデューサーのRalph MacDonaldの元で、Stuffのメンバーはじめ豪華な顔ぶれをバックに録音されています。Farrell自身の曲(A1 ,A3)は熱く、Ralph MacDonald主導の曲(A2,B2,B3)はMellowに、と同じ1枚の中でカラーが分かれています。 (この後の大ヒットにつながるRalphのMellowプロデュース路線の先駆けでしょうか。
Joe Farrellは、本作以前にGaleが参加しているBenson先生との双頭リーダー作を聴いており、他の作品にも参加しているのではチェックを始め、本作を発見しました。
しかし、日本盤のタイトル”教会と牡牛”でそのまんまですが、ジャケットも含め闘牛をイメージしたんでしょうか?このタイトルとジャケット、そして1曲目にタイトル曲を持ってきた曲順ではセールスにマイナスの影響が出たのでは?あるいはそこを狙った?本作では、日本盤でもおしゃれジャケットに差し替えなかったようです。


<ギターの聴きどころ>

裏ジャケの個別のクレジットによると、Galeは全曲に参加しています。
タイトル曲のA1、大仰なスパニッシュ調(時代劇調とも言えましょうか)で、本人のサックス、Stanley Clarkeによるピッコロベース、ギター(ここでのソロはJay Berlinerとのことです。)など各楽器の応酬、ちょっと自分の趣味とは合わず、失敗したかなとも思いましたが、6分過ぎにようやくGaleのキレも重みもあるカッティングが聴こえてきました。再び大袈裟なソロには入り、9分以上にわたる熱い演奏が終わります。この緊張感、闘牛をイメージしたんでしょうか?
うって変わって穏やかなムードに変わるA2ですが、ここでもGaleは軽やかなリズムに乗って音の切り方に特徴のあるカッティングをプレイしています。
続くA3はアップに転じ、Galeは右がカッティング中心、左がフェイザーを効かせたリフ中心で、左右でオブリを交えつつ、曲を盛り上げていきます。自身のソロも盛り上がりすぎたのか、チョーキングや小刻みなビブラートはいつも通りながら、いつにも増してディストーションが強く、本当にSuper400?というサウンドです。
B1も台風の音から始まるアップで、エフェクトを効かせたサックスのテーマのバックで、大きなリズムと細かく刻むところを取り混ぜてカッティングやシングルミュートをプレイしています。ここでの短いソロもA3ほどではないですがなかなかの激しさです。
MellowなムードのB2では主役もフルートに持ち替えて叙情的なメロディーを奏でます。Galeはこの曲でもスタッカート気味のカッティングでGrooveの一端を担い、後半にはオーボエに合わせて小技を挟んでいます。
ラストはしっとりと入り、途中からLatinのリズムに転じますが、ここでもFarrellはフルートで軽やかにメロディを紡ぎ、バックの小刻みなリズム(Gaddのドラムソロも!)とは対照的にGaleはシンプルなカッティングで主役を支えます。





Emotional度♡♡♡♡   曲によって差が激しいですが (A1,A3, B1)
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  曲によって差が激しいですが (A2,B2,B3) 
酒のお供度♡♡♡ 

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