Larry Carlton / Alone/But Never Alone (1986)
![](https://session-guitarist.net/wp-content/uploads/2022/08/R-1019948-1186768252-e1660444772278.jpg)
全編アコギですが変わらない歌心溢れる演奏です。
A1. Smiles And Smiles To Go
2. Perfect Peace
3. Carring You
4. The Lord's Prayer
B1. High Steppin'
2. Whatever Happens
3. Pure Delight
4. Alone/But Never Alone
Carltonの'86年の作品です。なんと、全曲がアコギで録音されています。Warnerとの契約が終了し、MCAよりリリースしています。前作よりほぼ3年空いていますが、その間、レコード会社の意図に捉われない自身のやりたいことを見つめ、出来上がったのが本作のようです。
メンバーは旧知のAbraham Laboriel(B)、Rick Marotta(Ds),Terry Trotter(Key)、Michael Fisher(Per)のみで、一部の曲では、Carlton自身がキーボード、ベースも弾いています。商業的にもJazzチャートで1位になるなど、大成功を収め、Carltonの名はギターファンのみならず音楽ファンに更に広く知れ渡ることとなりました。(セールスや知名度などCarlton自身はあまり関心がないと思いますが)
実は、私自身はこのLPはリアルタイムで聴いていません。発売当時受験生だったこともありますが、Carltonは335によるナチュラルドライブを駆使した歌心あるエレクトリックでのプレイが気に入っていましたので、全編アコギの本作を勝手に地味なものと想像してしまい、手が伸びませんでした。その後、90年すぎにMontreauxのライブビデオでアコギプレイを見て(聴いて)感動し、急いで中古レコード屋に向かい、次作の "Discovery"と共に購入しました。もっと早く買っておけばよかったと大後悔です。
<ギターの聴きどころ>
どの曲でも、美しいメロディとアコギならではの繊細な表現で、心洗われるような美しさです。ギターはValley Artsと思います。 キャッチーなA1、ムーディーなA2,しっとりとしたA3,Gospelをソロで奏でるA4、まずはA面を通して聴きました。 B面に移っても、後にRitenourと共演でサンプリングされたB1での時折見せる激しさ、Bill Withersとの共作のB2でのタメのあるプレイ(この曲では左でストラトのバッキング入ります。なお、Withersのヴォーカルバージョンも必聴の出来です)、タイトル通り喜びにあふれたB3,再びソロでのタイトル曲でのB4、こちらも一気に聴きました。 ドライブサウンドによるチョーキングも、ロングトーンもありませんが、時折早いパッセージやハーモニクスなどを交えつつも、基本はシンプルで、優しさ(と色気)に満ち、エレクトリックとなんら変わらない抜群の表現力と歌心でした。美メロの数々、A4を除いて自身の作曲で、メロディーメイカーとしての才能も発揮しています。 余談ながら、自分のスピーカーは古いDiatone(DS-2000HR)で、高音が煌びやかで、少しヴォリュームを上げて聴くとCarltonが目の前で弾いていうような臨場感があり、至福の一言に尽きます。 他のCarltonのアルバムやFourplay、Michele Pillarとのクリスマスアルバムなどのアコギプレイも優しさと美しさに溢れています。 (季節が合いませんが、涼しい気持ちにもなれます)ぜひ聴いてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡ 静かな情熱です |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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