Salena Jones / Stormy With Luv (1980) - 松木恒秀
松木さん、ソロはありませんがいつもより多めに弾いています。
A1. Just The Way You Are 2. All In Love Is Fair 3. Send In The Clowns 4. What I Did For Love 5. You've Got A Friend B1. Nobody Does It Better 2. If 3. Everything Must Change 4. Yesterday When I Was Young 5. A Song For You Salena Jonesの'80年の作品です。Salenaは、松木さんで2枚(Ballad With Luv、Melodies Of Love)、山岸さんで1枚(Feelings Change)、Stuffで1枚(My Love)弊ブログで紹介していますが、いずれも日本企画盤です。本作もJVCによる日本企画盤で、ピアノのPaul Matthewsに加え日本のミュージシャンが参加し、79年の4月にわずか3日で東京で録音しています。少しハスキーなツヤのある低音で、Salenaが新旧のヒット曲などを独特の節回で歌い上げていて、Jazz,Soul,Popsなどジャンルに関係なく幅広い層に受け入れられる作品に仕上がっています。当時の日本での人気の高さでしょうか、その後もJVCから数多くのアルバムをリリースしています。Pony Canyon からは”J-Ballad”なる日本の曲の英語カバー盤まで出ています。 本作も一時期は叩き売られていたのですが、他の作品含め最近めっきり見かけなくなりました。日本での人気再燃?
<ギターの聴きどころ>
ブログで取り上げる順番とリリースの時系列が整合されていませんが、本作が松木さんとの初共演になります。ドラム、ベース、パーカッションは複数で担当していますが、ギターは松木さんのみでピアノとのデュオのB5以外の全曲に多彩なバッキングで参加しています。1曲が長くないこともあり、ソロはありませんが、曲によっては左右に重ねており、初めての共演で気合が入ったのか、いつもより「多めに」に弾いている気がします。 A1のBilly Joelからスタートします。コーラスのかかった今風(当時の)のサウンドで、スタッカートとレガートを取り混ぜたカッティング、合間に挟むオブリで盛り上げます。 Stevie WonderのA2、マイナー感とメジャー感が入りまじったフレーズで、冒頭のヴォーカルの入りはじめ、全体の調和という点ではかなりスリリングな印象を受けました。左がバッキングで右がオブリかと思いきや、左からもカッティングの合間にオブリが入ってきて、一人コンビネーションです。 ミュージカルナンバーのリズミカルなA3も、コードを鳴らさずシングルノートバッキング中心の左と、右のオブリの組み合わせで一人コンビネーションで盛り上げます。 A4もミュージカルナンバーのスロウで、二回り目からダブルストップのスライドやアルペジオ、オブリを取り混ぜ、少ない音数でコード感を出し、ヴォーカルに絡む絶妙なプレイです。 多くのカバーがあるA5でも、原曲より店舗を下げて歌い上げるヴォーカルに対してピアノと共に、少ない音数で盛り上げます。達人たちの演奏は音を詰め込まず、空間までも表現の一部にしています。 大好きなcarole bayer sagerのB1でも、コード、シングル、ダブルストップなどを取り混ぜた巧みなバッキングです。この辺りのフリーな組み立て(フレーズの組み合わせ)はPhil Upchurchのバッキングにも通ずるものがあると思うのですがいかがでしょうか? B2は、再びコーラスサウンドで、珍しく普通?のアルペジオかと思っていたら、右からオブリを重ねてきていつもの松木節でした。 B3も、多くの人が取り上げ、David T.やDupreeもバックでギターを弾いています。松木さんはヴァイオリン奏法をクイクイ言わせつつ、タメの聴いたオブリでムードを盛り上げます。 B4も多くのカバーがありますが(クロードチアリの哀愁のガットギターも聴きました!)、シャンソンが原曲とのことです。松木さんは本作ではアコギをプレイしています。 B5にも参加して欲しかったところ残念です。なお、この曲は原曲のダミ声に勝るとも劣らないJoe Cockerのバージョンが熱いです(バックはStuff) コーラスのかかったサウンドや、若干のシンセは入りますが、時代の割に電子感がなく落ち着いて聴けますので、これからの季節にもぴtたりだと思います。他のSalenaのアルバムと合わせてぜひ聴いてみてください、(J-Balladは正直??ですが)
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |