George Benson / Breezin’ (1976) – Phil Upchurch

心地よさにUpchurchの隠し味が入った名盤です。

A1. Breezin'
 2. This Masquerade
 3. Six To Four
 
B1. Affirmation
 2. So This Is Love?
 3. Lady

 
 
 


Bensonの'78年のです。希代のテクニシャンとしてジャズギター界のトップに君臨しつつもBensonがシンガーとしても認められ、グラミー賞も受賞した大ヒット作です。この盤については多くの記事や評論があるので私の拙いコメントは差し控えますが、とてつもない作品であることは間違いないと思っております。
自分がギターを始めた80年代のギター雑誌を読むとマスト作として紹介されており、"Weekend In L.A."を先に聴いていたこともあり、市立図書館で発見しました。(CarltonやRitenourと共に本作が1枚だけありました)貸し出しはしておらず、備え付けのヘッドホンで聴くだけなので、レンタルレコードに行ったのですがなぜか”Give Me The Night"しか置いておらず仕方なく何度も学校帰りに図書館に通いました。その頃は高中さん始めフュージョンを聴いていたので、A1などのインストも違和感や抵抗なく耳に入ってきて、A2の大人の世界にも背伸びして食らいついていた気がします。上京後、A1の作者であるBobby Womackを知ってからようやくボロボロの輸入盤を中古で1000円ぐらいで買いました。

<ギターの聴きどころ>

主役のBenson先生のよく歌うギターと超絶テクニック(A2のスキャットやB1での高速フレーズなど)は語り尽くされた感もありますのでそれを支えるUpchurchのギター(A1ではベースも)に注目したいと思います。
A1,作者のWomackのフレーズを下敷にしたと言われるイントロのリフ、これだけでお花畑にいる様なウキウキした気持ちになります。その後はコードカッティングに移りますが、中盤にはイントロのフレーズを別ポジションに置き換えたり、後半は小刻みに動くコードなどで小技を挟んできます。
A2では、ピアノにバッキングの主体を任せつつ、コードの崩しやカッティングなど、決まったパターンのないフリーなバッキング(とてもコピーできないです!)で主役のなりきりヴォーカルとギターを支えます。
A3は作曲も手掛け、途中の変拍子など一筋縄ではいかないトンチの効いた楽曲に仕上げています。Wesの「Four On Six」のポップ版?ここでのバッキングも特定のパターンのないフリーなものです。
Bensonのギターが冴え渡るB1では、Wahを駆使したバッキングで、凡人には思いつかないような効果音的なフレーズも交えていますが、意外と哀感のある曲調にマッチしています。なお、Bensonのプレイは音符の匂いがして好きではないと言っていた松木さん、自身のバンドWhat Is Hipでは、この曲をレパートリーにしていました。(ヤマハのエレアコで弾いていました)
B2は、左からヴァイオリン奏法で色をつけ、トレブリーなコードの刻みに、オートWahでのカウンターメロディなど、さまざまな変則的なパターンを駆使しています。エンディング付近のチョーキングフレーズも出てくるソロはUpchurchと思います。
Mellowなラストでも、クラビネットを思わせるような硬質なサウンドでコードを刻んでいますが、アルペジオで崩したり、ミュート気味にカッティングしたりここでもフリーにプレイしています。エンディング間際では、お得意のテールピース弾きも!
ここでも定石通りではないプレイで、意表をつくプレイも随所に見られますが、これが絶妙な隠し味となって見事に曲にはまっていて、さすがの一言です。(スイカに塩を振ったり、お汁粉に少し塩を入れるようなものでしょうか?)

以下は、本作に至る"Good King Bad"からの続きです。

(Upchurch家の電話が鳴る)
Upchurch:はい、もしもし。
Benson:Upchurch先輩(2歳年上です)、俺っす、歌もギターも超一流のBensonっす!お久しぶりっす!その節(Bad Bensonのレコーディング)はお世話になりました。今暇っすか?
Upchurch: (うわ、めんどくせえ奴から電話が来た・・・)久しぶりだな、どうした?
Benson:俺、今度Lipumaさんに誘われてWarnerからデビューするんすよ!よければバックやってくれませんかね?Galeさんに頼んだんだけど断られちゃって!あの人性格もギターも頑固で融通効かないから、俺もこっちこそお断り、て感じっすけどね!
Upchurch:(Galeさんやっぱり断ったか・・・)オレまだCTIに契約残ってるんだよね(これは本当です)
Benson:落ち目のCTIなんか見切りつけた方がいいすよ!これからはメジャーの時代ですよ!ギャラ弾みますから!先輩の使ってる変てこなB級ギター(Upchurchの当時の愛機はFenderのCollonadoIIや謎のアッシュボディのソリッドなどあまり他のギタリストが使ってないものでした。これは本当です)はいい加減やめて、L5ぐらい買いましょうよ!(と言いながら俺はイバニーズがくれたGB10使うつもりだけど(これは本当です。裏ジャケでナチュラルのGB10を抱えています))

ということで、Upchurchがバックを務めることになりました。
(私の妄想であり、キャラ設定含めフィクションです。)








Emotional度♡♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡ 
酒のお供度♡♡♡♡

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