Sugar Loaf Express Featuring Lee Ritenour (1977) - Eric Gale
いつになく熱いGale とRitenour!!
A1. Sugar Loaf Express 2. Morning Glory 3. That's The Way Of The World B1. Slippin' In The Back Door 2. Tomorrow 3. Lady Soul Ritenour は、なんでも卒なくこなす「出来すぎくん」のような秀才タイプの印象を持っており、どのアルバムも悪くないのですが、突き抜けた個性が感じられず、『オール4』的な印象で、本当は何をやりたいのかな?などと思ってしまいます。(燕雀焉んぞ鴻鵠の志を知らずや、なのでしょうが)80年頃のギター雑誌やジャズ誌でも、二人とも335を使っていたこともあってCarltonと並び評されていましたが、私には違うタイプのギタリストに思えました(好みで言えば断然Carlton派でした。どちらかといえば今も。) 前作に続くダイレクトカッティング盤です。この時、Ritenour まだ25歳!Abraham Laborielも25歳、Patrice Rushenは23歳、Harvey Masonは30歳、gale39歳、若い名人達の一発勝負は、アップテンポでもスロウでも緊張感に溢れています。後年のCarltonとRitenour、David T. とCarlton の競演のようななごやかでリラックスした雰囲気ではありません。Ritenour、クールに見えて意外に負けず嫌い?真剣に演奏を聴くことを求められている気がして、あまり飲みながら聞いたりはしませんでした。レコードプレイヤーとアンプをグレードアップしたら、音の良さが際立ちました。(通して聴くと聴き疲れしますけど。この文を書くために久々に全曲通して聴いたら疲れました。)疲れのせいか、否定的なコメントが多くなってしまいましたが、名演・名盤であることは間違いありません。
<聴きどころ>
Ritenourは335、GaleはSuper400といつも通りと思います。Ritenour が曲によってフロントの甘いトーン、センター、リアでの鋭いカッティング、オーバードライブサウンド、と使い分けているのに対し、Galeはいつもの少し歪んだフェイザーを噛ませたサウンドでやり通してます。プレイもRitenour はヴァリエーションに富んだフレーズ(スライドバーまで!)を展開していますが、Gale はワシはコレしかやらん!とばかりに、いつものフレーズに終始していて、違いが面白いです。ただ、緊張感の中でお互いに触発されたのか、RitenourはいつもよりWildなプレイを(各曲でのソロの後半部など)聴かせ、Galeもいつもの倍ぐらいの音数でさらにくどいプレイをしています。ちなみに、A2は、それぞれのソロ作でも演奏されており、聴き比べるのも面白いです。(Ritenour が何色ものきらびやかな朝顔、Galeが濃い単色の野生の朝顔、本作が入り乱れて咲く朝顔、という感じでしょうか?)。A3 は、スタッフのライブDVDにも入ってます。(こっちはリラックスして聴けます)
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ ハイテンションです |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ Ritenourもいつになくbluesyです |
Mellow度 | ♡♡♡ スロウもあまりメロウに聞こえません |
酒のお供度 | ♡♡ 酒と音楽の楽しみが両立しません |
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