Barry Manilow / 2:00 AM Paradise Cafe (1984) - Mundell Lowe
フルアコと夜と音楽と
A1. Paradise Cafe 2. Where Have You Gone 3. Say No More 4. Blue 5. When October Goes B1. What Am I Doin' Here 2. Good-Bye My Love 3. Big City Blues 4. When Love Is Gone 5. I've Never Been So Low On Love 6. Night Song Barry Manilowの'84年の作品です。。世界的に有名なPops歌手の一人で数多くのヒット曲を持ち、Wikiによると通算7500万枚のレコードを売り上げているそうです。'73年のレコードデビュー以前から作曲や編曲などで音楽に携わり、人気だけではなく実力も兼ね備えたミュージシャンであり、ヒット至上主義の業界に疑問を感じしばらく活動を休止した後に、セールスを意識せず本当にやりたいことをやったのがこのアルバムのようです。2週間で曲を書き上げ、面識すらなかったMundell Loweに電話、Jazz畑のミュージシャンを集めて録音しました。ゲストヴォーカルにSarah Vaughan(A4)、Mel Tormé(B3)のビッグネームを招き、タイトル通り深夜のカフェをテーマとしたJazz作品となっています。 小学生の頃、ラジオで流れていたCopacabanaをでManilowの名前を知りました。その後20年ほどは聴くこともレコードを買うこともありませんでしたが、'00年頃R安レコ裏ジャケ買いの中でobben Ford参加作などと併せて本作も購入、1枚それぞれ100円で良い買い物をしました。
<ギターの聴きどころ>
針を下ろすと、切ないピアノの響きに続いてギターが入ってきて、ウッドベースやサックスとともにいい雰囲気を作ります。しかし、ユニオンから帰ってきて聴き始めたのはPM16:00頃だったのですが、これは明るいうちに聴く音楽ではないと思いまだ飲むには早い時間でもあったので一旦聴くのをやめ、夜になるのを待って改めて聞き直しました。その間、本作のギタリストのMandel Loweについて、手元の音楽誌で調べました 「Jazz批評」のギタリスト特集に名前が載っており、リーダー作も数枚出しているとのことで、ローティーンの時期よりクラブ出演などで腕を磨き、放送局の音楽スタッフとして在籍しながらスタジオワークやセッションで活躍したそうです。プレイやサウンドを聴くのは本作が初めてなので、楽しみにしながら再び針を下ろします。 全曲スロウで、少ない編成での空間の多いアレンジの中で、これぞフルアコというナチュラルサウンド、どの曲でもコードにオブリを交えた出過ぎないプレイでアンサンブルを作り、主役のヴォーカルを盛り立てます。こういうサウンドを聴くとギターにエフェクターなんぞ不要と改めて思ってしまいました。発売円である'84年当時全盛であった刺激のあるサウンドで速弾きやトリッキーな「見せる」プレイとは対局で、シンプルながら味わい深いサウンドで「魅せる」円熟のプレイでした。しかし、これは10代のギターキッズは聴かないでしょうね・・・。 それ以来、深夜のお供のお気に入り盤の1枚として繰り返し聴いています。灯りを落として手持ちのフルアコを眺めながら洋酒をチビチビやるとあまりの心地よさにコピーしようという気も起きません(このニュアンスまでコピーできない言い訳ですが)。ターンテーブルが廻っていれば言うことありません。 本題と外れますが、 King Cole Trioの録音もこのぐらいクリアであれば、Oscar Mooreのギターも更に美しく響いたのかな、などと連想してしまいました。 とまれ、夜、フルアコのグラマラスな曲線美を眺めながらお酒を飲む人は(全世界で10万人ぐらいはいるのではないでしょうか)、ぜひ本作をお供の1枚に加えてください。アルバムを通してムーディーな流れが途切れないところも素晴らしい! その後、Mundell Loweのレコードを真剣に探していないのが私のいい加減なところで反省しております・・・。
Emotional度 | ♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度(ただし夜限定) | 🥃🥃🥃🥃🥃(🍷🍷🍷🍷🍷でも可)🍶はちょっと・・・ |
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