Cissy Houston / Cissy Houston (1977)

控えめなバッキングですが強い個性を感じます。

A1. Tomorrow
 2. Morning Much Better
 3. Your Song
 4. Love Is Holding On

 
B1. He Ain't Heavy, He's My Brother
 2. It Never Really Ended
 3. Make It Easy On Yourself
 4. Things To Do
 5. Love Is Something That Leads You
 


 
Cissy Houstonの'77年の作品です。Whitney Houstonの母として、またDionne WarwickとDee Dee Warwickの叔母として名前が知られていますが彼女たちを大きく上回る実力を持つシンガーです。幼少時のGospelをスタートにThe Drinkard Singers, The Sweet Inspirationsで音楽活動を続けた後に、セッションシンガーと並行して数枚のソロ作を残しています。本作はそのうちの1枚で、プロデューサーのMichael Zagerが集めたN.Y.の腕利きスタジオミュージシャンをバックに、カバー曲を歌い上げています。
ユニオンのタグに「Whitney Houstonの母親」との注書きを発見、それまでCHのことは名前すら知りませんでしたが、Whitneyは1枚目、2枚目を聴いていたので、興味本意で手に取りました。裏にDupreeの名前に加え、有名曲のカバーもあり、1000円ぐらいだったので速攻で買いました。90年代の頭だったと思います。
なお、Cissyはその後見つけるたびに値段が折り合えば買っていますが、どれも素晴らしい作品ばかりです。声の質だけで言えば、個人的にはArethaより好きかもです。自分にとっては、「Whitneyの母ちゃん」ではありません。Whitneyが「Cissyの娘」なのです。


<ギターの聴きどころ>

早速聴きました。Cissyの歌のうまさには感動した一方、ギターは控えめなバッキングやオブリのみでソロはなく、ギターが聞こえない曲さえあり、Dupreeのプレイを期待していた点では肩透かしを食らったような物足りなさを感じた記憶があります。(そのころはギター重視で音楽を聴いていました。)その後時を重ねて、遅ればせながらDupreeのユニークなバッキングの味わい深さに目覚め、本作も何度も繰り返して聴くうちにようやくその良さがわかるようになってきました。
ギターは、他にJeff Mironov, Lance Quinnの名前があります。個別曲のクレジットはありませんが、明らかにDupreeが参加していると思われるのはA2,A4,B2で基本的に左です。
A2はカッティングの頭(裏ですけど)にコードのグリッサンドをかまし、合間にオブリで遊ぶ独特のプレイです。
A4はミュートバッキングを基本としながら、ダブルストップやチョーキングなどのオブリを的確なタイミングに入れており、ヴォーカルの盛り上がりに対しても過剰に反応しないクールさが逆にCissyの熱さを際立たせています。
B2はコーラスがかかったらしくないサウンドですが、カッティングなどの間の取り方からDupreeのプレイと思います。
感動的なスロウのB3,曲の中盤からのダブルストップ、ヴァイオリン奏法、トリルなど優しいピッキングで、ちょっとしか弾かない焦らしまくりのプレイがセクシーです。
B5もスロウで、ここでもコーラス(というよりフランジャー?)がかかったサウンドで控えめなオブリを交えたフリーなバッキングです。
おしなべて音量も小さく、前述の通り控えめなバッキングやオブリのみですが、主役のヴォーカルを盛り上げるバッキングに徹していて職人気質を感じますが、強い個性もしっかり感じさせています。GospelとDupree両方好きな方にはうってつけのLPです。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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