David Goldblatt ‎– Facing North (1996)- Larry Carlton, David T. Walker

David T.、Carlton 、Ritenour、Wah Wah Watson参加です.

 1. Panda
 2. Kula
 3. Sir Real
 4. Yes And No
 5. Brief Encounter
 6. 35 Kisses
 7. Joffra
 8. But Not Forgotten
 9. Yeah Right (For William R.Eaker)
10. Facing North




’96年の日本企画盤です。LAを中心に活躍するキーボーディストで、Alphonse Mouzon QuintetやGino VanelliはじめとしたJazz、AORのレコーディングに参加していたようです90年代の半ばには、70年後半以降のフュージョンブームは鎮静化したかと思いきや、アシッドジャズやスムースジャズの台頭と合わせ、ロック系ではない方向で少し盛り返していたようです。David T.やCarlton、Ritenourの参加など、その路線を狙って制作されたのかもしれません。(David T.は、この頃日本製作の作品に頻繁に登場し、CarltonとRitenourも前年'95年にLarry & Leeをリリース、日本ツアーもしています) バックは、LAのセッションミュージシャンと思われますが、堅実なプレイで、主役とゲストを盛り立てています。Jazz Lifeで紹介記事を見て新譜を買いました。一時期見なかったのですが、新譜も出回っているようなので再発されたのでしょうか?


<ギターの聴きどころ>

1、4にCarlton、2にDavid T.、5にRitenour、6にWah Wah Watsonが参加しており、それぞれ、少し聴いただけでもわかってしまう個性的なプレイをしています。
1は、静かなイントロから軽快なリズムに乗ったテーマのシンセとのユニゾン、ソロと大きくフューチャーされています。ナチュラルオーバードライブトーンで、転調やテンポチェンジに自然に乗った色気のあるプレイです。この頃は、Valley Artsも卒業して、オールドのレスポールやストラトを愛用していたようですが、この曲ではレスポールとDumbleのアンプでしょうか?なぜこのタイトルなのか不明ですが、今の日本では旬ですね。(シャオシャオとレイレイ、可愛いです!)
2も軽快な曲で、イントロからいつものDavid T.のサウンドが聞こえてきます。エレピのテーマ後、サビでユニゾンし、エレピのソロの後、ハイポジションからのソロが切り込むように入ってきます。細かく音を刻むところと、空間をたっぷり確保するところを巧みに使い分け、緩急をつけたプレイです。シャッフル気味の4.は再びCarltonです。やはりナチュラルオーバードライブトーンでテーマを奏で、静かにソロに入っていきます。エレピのソロでは、主役を邪魔しないバッキングに廻ります。この曲ではストラトで、ピッキングの強弱や三連系のプレイで彩りを添えています。2.4 のキレのいいリズムギターはPaul Jackson Jr.です。
5はRitenourです。90年代の頭に二枚のWes系のJazzアルバムを出しており、その続編とも言えるような流暢なプレイです。おそらくL5であろうナチュラルトーンが曲にマッチしています。もっとバリバリソロを弾くかと思いきや、割と抑え気味でした。
少し不思議なムードを持つ6では、Wah Wah Watsonがいつも通りの効果音的なサウンドで、怪しさを深めています。しかし、半世紀このプレイ一筋で勝負するWatson様には脱帽です。
9では、Paul Jackson Jr.が珍しくガットギターを弾いています。(オーバーダブでリズムギターも弾いています)
本作、ギターファンに向けて作られたのではないかと思うほど、ギターがフューチャーされており、聴きごたえのある一枚です。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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