David Matthews / Grand Cross (1983) – Larry Carlton

レゲエのリズムとCarltonの珍しい組み合わせです。

A1. Grand Cross
 2. Kingston Connection
 3. Afro Sax
 4. Pipe Dream

B1. Movin' Man
 2. For A Little Love Baby
 3. Sambafrique
 4. Star Island Drive



 
 
David Matthewsの'83年作品です。Mathews自身によれば、レゲエとジャズとアフロを組み合わせたフュージョンサウンドということで、N.Y.勢を中心に豪華なメンバーが集められています。それまでの作品でもレゲエの要素を取り入れて来ていて、当時のフュージョンの盛り上がりに合わせて、集大成的に達人を集めて作られたようです。それまでもGale参加盤を聴いていてMatthewのことは知っていましたが、自分はレゲエには全く興味がなく、本作は、裏ジャケの愛機335を抱えたCarltonの勇姿に惹かれて衝動買いしました。(1000円ぐらいでした)。西海岸のCarltonがわざわざ参加したということは、話題作りの意味もあったのでしょうが、Matthewsの美学を具現化するためには、彼のギターが必要だったということでしょう。
個人的には、レゲエのリズムではないCarltonとの共演をもっと聴いてみたい気がしました。(のちにギタリストを集めてGutar On Fireなるアルバムを出しますが、こっちはRockっぽいです)
余談ながらMatthewさんは相当の親日家のようで、日本女性と結婚して、日本に移住したようです。




<ギターの聴きどころ>

インナーには、個別の曲のクレジットがあって、CarltonはA1,A2,A3,B4の4曲に参加と書いてあります。録音はRoom335とあるので
Carltonのパートだけテープのやり取りで別録音されたかもしれません。(他はN.Y.)
従い、勝手な推測ですが、バッキングなどベーシックなパートはTropea,乗っかったソロがCarltonと勝手に推測しました。(二人とも器用で似たようなプレイができるので自信がありませんが)
勢いを感じさせるA1、中盤以降にCarltonのロングソロがあります。淀みなくフレーズをつなぐところ、さすがです。
レゲエのA2、伸ばすところ、畳み掛けるところ、オクターブなどを使い分けたメリハリのある1stソロは迷いますがTropeaでしょうか。後半の複音による短いですがBluesyなソロがCarltonでしょう。
SanbornのサックスをフューチャーしたA3,コーラスがかかったサウンドにアウトフレーズが入ってらしくない気がしましたが、このソTropeaのようです。ソロ後のバイオリン奏法のオブリだけがCarlton?
B4、向井滋春さんがやりそうなレゲエのリズムとホーン主体の曲です。いつもより歪みの強いロングトーン&チョーキング多用の1stソロがCarlton、少し硬質なサウンドで細かく音を刻むソロがTropeaでしょうか?
他の曲では、Tropeaです。B1でのベースでハイポジションを弾いているかのようなサウンドでのソロなど、個性も発揮しています。
レゲエの曲でのバッキングもシンプルながらGrooveのあるプレイです。
裏ジャケではIbanezのGB-10が写っていますが、センターポジションでこのクリスピーな音を出しているのでしょうか?
Tropeaさん、90年代の終わりから2000年代にかけて立て続けにフルアコ(L5-CT?)を使ったメロウなアルバムを出していて、インナーのギターの写真も含めとても気にいっています。(RAPのハシリのKurtis BlowのバックでもGroovyなカッティングを聴かせていてこちらも気に入ってます)


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡♡

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