Michael Jackson / Off The Wall (1979) - Larry Carlton
1曲だけの控えめな参加ですが、Carltonならではの味わい深いプレイです。
A1. Don't Stop 'Til You Get Enough 2. Rock With You 3. Working Day And Night 4. Get On The Floor B1. Off The Wall 2. Girlfriend 3. She's Out Of My Life 4. I Can't Help It 5. It's The Falling In Love 6. Burn This Disco Out Michael Jacksonの'79年の作品です。Epicに移籍、通算5枚目のアルバムです。”Wiz”でお互いの才能を認め合ったQuincy Jonesをプロデューサーに迎え、Paul McCartneyやStevie Wonderなどの書き下ろし曲に加え、Michaelの自作曲も含まれ、Quincy Jones人脈による豪華なメンバーがバックを務めています。音楽ビジネス界のしがらみや古巣のMotown内での制約から解放されて、自らの意思を盛り込んで制作されたという本作、内容の充実とともに、4枚のヒットシングルを生み出すなどセールス的にも成功した作品です。 自分がMichaelを知ったのは、ベストヒットUSAなどでしょっちゅう流れていた"Thriller"で、Black Musicに興味を持ち始めていた時期ではあったのですが、あまりにもエンターテインメント色の強い曲や映像に違和感を感じ、積極的に聴くことはありませんでした。その後、Jackson5などMotownでの作品を聴いて改めて関心を持ち、遅ればせながら80年台の終わり頃エサ箱から中古で購入しました。世間では"BAD"の流行が終わりかけた頃でした。
<ギターの聴きどころ>
典型的なQJのブラコンだなあなどと思いつつ聴きながら、内ジャケに記載された個別曲のクレジットを眺めていると、なんとB3にCarltonの名前が載っていました。普段あまりやらなのですが、レコードをひっくり返して聴きました。華麗なストリングスに続いて、右からハーモニクスも交えたメロウなギターが入ってきました。伴奏の主体はエレピですが、情感たっぷりに歌い上げるMichaelに寄り添うように、少ない音で効果的に(効果音的でもありますが)シンプルなフレーズを入れてきます。「Room335」のようなドライブサウンドではなく、ナチュラルトーンで、決して目立つ音ではありませんが、少ない楽器数の中で曲に彩りを添える重要なパートです。本作唯一のスロウ、Carltonならではの味わい深いプレイです。しかし、この1曲のためにCarltonを呼ぶとはさすがQJ! 他の曲では、David Williams,Marlo Henderson、Wah Wah Watson、Phil Upchurchなどリズムギターマスターが、シングルノート、カッティングなどでバッキングをしています。どの曲もシンプルなプレイながら、Grooveが感じられ、この手のバッキングを習得したい方には参考になるのではと思います。 90年代以降のMichael、自分の好みとは違く方向に行ってしまい、ほとんど聴いていません。どんどん寡作になって行って、本作で発揮していた曲作りの才能やヴォーカルの表現力もスキャンダルなどの影に埋もれてしまい、不幸な形で突然の死を迎えてしまったこと、大変残念です。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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