The Players – Madagascar Lady (1981) – 松木恒秀

いつもの松木節は少ないですが、テクニカルでスリリングなプレイが聴けます。

A1. Madagascar Lady
 2. Secret Embrace
 3. Get Away

 
B1. C.P.S. (Central Park South)
 2. 8:30
 3. With All Beautiful Love
 4. Leopard
 


 
The Playersの'81年の作品です。前年の"Wonderful Guy"に続く3枚目に当たります。しかし作風は前作と大きく変わり、初めて聴いた際には、自分には前衛的で難解な曲が多く感じられました。と思ったら、Weather ReportのパーカッショニストのBobby Thomasをゲストに呼んでいて、なおかつB1もカバーしていました。そのB1を除き、全てコルゲンさん作で、書き溜めた曲の中から厳選してレコーディングしたようです。全体的にじっくり聴かせるというよりは、目まぐるしい展開の先鋭的(「前衛的」の濁点が取れただけですみません)な曲をスリリングに演奏している印象で、JazzやFusionにテクニックや様式美を求める方にはうってつけのアルバムなのでしょうが、歌心だけを重視している自分には、今でも好みとは少しかけ離れている感は否めません。(夏をイメージさせるジャケットと内容のギャップも否めません。)帯には、「ジャズ・フュージョンサウンドに呆きた(ママ)ホットなニューアルバム」と紹介されています。これはメンバーが望んだキャッチコピーなんでしょうか?
なかなかCD化されなかったので結構なお値段で購入しました。


<ギターの聴きどころ>

全体の作風同様、松木さんのプレイも歌心に溢れたいつもの「松木節」は少なく、ハードでテクニカルなプレイが主体です。
A1はアフロ・ラテンの曲調で、リズム隊の活躍が目立つ一方、松木さんのプレイはコードの流しやソプラノとのユニゾン等控えめです。
スロウのA2は幻想的な仕上がりで、イントロなどの松木さんのプレイもコーラスサウンドによるサウンドで、バッキングやソロは抑えたプレイながら透明感を感じます。
A3ではキレのいいカッティングやディストーションサウンドによるテーマのユニゾンだけではなく、ヴォコーダーによるヴォーカル(Wah Wah Watson風です)も担当しており、自身のハードなソロとコール&レスポンスしている異色のプレイが聴けます。
コルゲンさんがN.Y.滞在中にインスピレーションを受けて作ったというB1,この曲での松木さんのロングソロは、Galeオマージュの松木節で、本作の中では安心して?聴けるプレイでした。
カバーのB2、ディストーションサウンドによるハードなサウンドで、ロングトーンを交えたテーマでスタートします。ブラインドで聴いたら、自分は松木さんとは気付かないと思います。中盤以降のカッティングもいつにも増して激しいプレイです。
本作で唯一のメロウな仕上がりのB3、イントロでのハーモニクスなど美しいフレーズが出てきて、松木さんのタメタメソロを期待したのですが主役はコルゲンさんのエレピと山口さんのソプラノでした。残念。
ラストのB4も展開が目まぐるしい曲で、リズムを全面に出すアレンジの中、松木さんもキレキレのカッティングで盛り上げています。中盤には岡沢さんの長いベースソロが入ります。
本作の使用ギターはインナーに写っているIbanezのセミアコです。(当時モニターをしていたようです。ジョンスコも使ってるやつです。)熟成した枯れたサウンドというよりは、少し硬さの残る若いギターの音のように感じました。




Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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