The Players / Space Travel (1982) – 松木恒秀

松木さんのギター、多彩なサウンドと多彩なプレイです。

A1. Space Travel
 2. Murmur
 3. Join In
 4. Can You Believe In A Love
 
 
B1. Melody's Birth
 2. Where Does The Joke Come In
 3. Atomic Reggae
 4. Walking In A Morning Mist

 
 
 


The Playersの'82年の作品です。本作ではサクソフォンがボブ斉藤さんに替わっていて、ホーンセクションやコーラスも参加しています。全曲をキイボードのコルゲンさんが作曲しています。(インナーの写真ご覧ください)4枚目に当たりますが、自分が買ったのはPlayersの全てのアルバムで最後です。これを入手すればコンプ、ということで、行く先々のレコード屋に行くたび探していたのですが、あまり見かけず、たまにあってもいいお値段で見送っていました。渋谷のレコファンに昔は良く行っており、行くたびに100均(黄色い剥がしにくい値札シールが貼ってあるやつです)箱を漁るのですが、ツイストやアリスやシブがき隊と並んでそこに入っていました。探索を中断し、速攻レジに向かいました。ネットが普及する前はこういうことがたまにあって、レコード探しの醍醐味の一つでした。2016年には他の作品ともどもCD再発されたみたいですが、相変わらず店頭では見かけません・・・・

<ギターの聴きどころ>

フランジングの効果音が印象的なタイトル曲でスタートします。(2台目に買ったエフェクターがボスのBF2だったことを思い出しました。レゾナンスを0にしてコーラス代りに使っていました)Playersにはメロウな面とテクニカルな面があるように感じていますが、この曲は後者でしょう。松木さんのプレイは、コードというよりは、効果音的なカッティングです。
A2は幻想的なムードでスタートし、松木さんはアルペジオから、ドライブサウンドでのテーマに移ります。サックスなどのバックでは、Gale的なカッティングも聴けます。この曲はメロウなムードと複雑なコード進行でのテクニカルな面を併せ持つように感じられます。
A3もキメの多いテクニカルな曲で、コードカッティング、シングルミュート、ドライブサウンドでのソロなど多彩なギターが聴けます。後半のソロではオクターブをドライブサウンドで奏でる荒技も飛び出します。
A4は岡沢さんのヴォーカルをフューチャーしたメロウなスロウで、松木さんのバッキング、ソロとも色気と抑制のある絶妙な歌伴プレイです。やはり、自分はテクニカルなものよりも、こういうメロウな曲とプレイが好みのようです。
B1も岡沢さんのヴォーカル曲ですが、こちらはアップです。松木さんは右のキレのいいカッティング、左のシングルミュートで、中間のソロはドライブサウンドのよく歌うプレイです。(この曲でのプレイ、心なしか山岸さんと共通しているように感じました)
それにしても岡沢さんのヴォーカルが上手い!この頃の写真(左端)の童顔とのギャップも楽しいです。(右端の松木さんも半パンで若い!コルゲンさんだけ悪人面・・・)
ラテン調のB2、当時出演していた「今夜も最高!」がテーマなのでしょうか?ここでは、サックスとテーマをユニゾンするタメやツッコミを抑えたプレイが聴けます、
タイトル通りのレゲエ調のB3,なんとなくDr.StrutやKoinoniaっぽいものを感じました。ここでもサックスとテーマをユニゾンした後、ドライブサウンドで溜めとツッコミを効かせたRobben fordやCarltonと共通するBluesyなプレイを聴かせます。
メロウなB4で幕を閉じます。ここでのプレイはRitenourを思わせる透明感のあるサウンドとフレーズでいつもの強烈な個性はあまり感じられません、
本作では、ドライブサウンドの多様や多彩なフレージングなど、引き出しの多さが感じられました。色々試してみたかったのでしょうか?あるいはコルゲンリーダーに指示された?とはいえ、盛り上がってくるといつもの松木節が顔を覗かせるのですが!
そして、他の作品も聴いてみて改めて感じるPlayersの持ち味の一つに、メロウ感とそれに相反するテクニカルなスピード感に加え、独特のふわふわ漂うような浮遊感があるということです。それによって濃さが抑えられているので私のようなコッテリ派には物足りなさを感じさせるのかもしれません。ドライブが強ければ濃いということでは無いし、透明感と甘さは必ずしもイコールではなく、聴く側の好みの問題だとは思います。






Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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