Maxi Anderson / Maxi (1977) – David T. Walker
どの曲でもDavid T.の名人芸オブリが堪能できます。
A1. Let Him In 2. Dancin' To Keep From Cryin' 3. Walk Softly 4. The Perfect Day 5. This One's For You B1. Delta Road 2. Lover To Lover 3. Glory, Glory 4. By Your Side 5. Music On My Mind Maxi Andersonの'77年の作品です。L.A.を拠点にしたセッションシンガーで、弊ブログで紹介した作品でもDavid T.のソロ作(Ahimsa,Belovedなど)はじめ、多くの作品に参加しています。本作はBlue Note(なぜ?)に残した唯一のアルバムです。セッション活動での人脈と思われますが、西海岸勢の達人たちがバックに入り、メロウなヴォーカルをメロウに盛り立てています。 AhimsaやMiki Howardのアルバムで彼女の名前を知り(高中さんのアルバムにも参加してました)、90年の半ばにUnionで本作を発見し、裏ジャケにDavid T.の名前も確認したものの5000円以上、手持ちがなく泣く泣く見送ってしまいました。その後しばらく見かけることがありませんでしたが、Free Soul人気便乗でしょうか、90年代の終わり頃にCD再発されたものをまず購入、その15年後ぐらいにまたまたCDが再発され、値が下がったLPをようやく手に入れることが出来ました。
<ギターの聴きどころ>
個別曲のクレジットはありませんが、David T.は全曲に参加し、他のギターとのコンビでオブリ中心にプレイしています ちょっとMinnie Ripertonを彷彿とさせるようなミディアムGrooveのA1、David T.は右からヴォーカルにレスポンスするように様々なオブリを重ねてきます。さながらコーラスパートを担っているかのようなプレイです。(バックコーラスも入っていますがそれ以上に歌っているように感じられます) A2のカッティングはややペケペケ度が薄まっていますが、Ray ParkerJr.でしょうか?David T.は参加していないかと思いきや、後半に小音量ながら突如オブリを入れてきます。 A3のスロウは、左からナチュラルサウンドのギターが入り、ヴォーカル部ではコーラスサウンドに変化し、ハーモニクス奏法も現れますが、Graydonでしょうか?David T.はこの曲でも中盤以降からのオブリで徐々に盛り上がりヴォーカルに絡みます。 ポップなA4もMinnie Ripertonぽい曲です。ここでのDavid T.は、やや小さな音量でダブルストップが中心です。 多くのカバーがあるA5,Teddy POendergrassやLou Rawlsの濃いヴァージョンを先に聴いていたのでMaxiのヴォーカルがキュートに感じます。David T.はこの曲では強めのピッキングで粘っこいオブリを入れてきています。 アコギで始まるB1,切ないメロディとヴォーカル、ハーモニカも入って泣かせ系です。David T.は、スタッカート気味のダブルストップを中心にオブリを組み立て行きます。 B2はキレのいいシングルノートとコンビネーションで、左に引っ越してシングルノート中心のリフにダブルストップや弦を転がるようなオブリを絡めてきます。エンディング付近では盛り上がり、タメと粘りに拍車がかかります。この曲は少し黒い艶が増したようなサウンドです。 B3はシングルノートのセンター、右とのコンビで、左のコードバッキング中心です。 B4のスロウでは右に戻り、イントロから特徴的なフレーズを聴かせます。ここでもコードにダブルストップなどのオブリを交えたプレイで、お得意のスライドを多用しています。センターにもDavid T.ぽいシングルノートのオブリ入りますがサウンドが違うのでRay Parkerでしょうか? ラストもミディアムスロウで、左の低音リフ、右のペケペケでスタート、ヴォーカルが入ると左はコードに転じ、2コーラス目ぐらいからDavid T.の甘いトーンが右から入ってきます。テンポチェンジでは粘っこくもパーカッシブなプレイに転じ、ヴォーカル、コーラスに絡みます。 ソロこそありませんが、各曲でDavid T.の多彩なフレーズが堪能でき、ファンは必聴と思います。 しかし、David T.のプレイ、フレーズそのものはコピーできてもタイミングやニュアンスはとても真似できません・・・・
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡♡ |
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