The Players / Up To You (1984) – 松木恒秀

様々なプレイを使い分けていますが、BluesなyB4を聴いてください。

A1. Up To You
 2. A Taste Of Honey
 3. Be Yours
 4. Godsend


B1. Yellow Paper Bag
 2. Speak Low
 3. Cycle Cyclone
 4. Humming Town
 


 
The Playersの'84年の作品です。6枚目でスタジオ盤としては最終作となります。サックスに中村誠一さんも参加、最強の布陣となり、A2,B2の独自の解釈によるカバーを含む8曲が収録されています。和製Weather Report,和製Stuffなどと呼ばれていたと言うことですが、確かに本作でもその傾向はあり、方向性も内容も異なる二つのバンドの要素をうまく取り込み、ポップさとヴァラエティに富む一方で統一感あるこなれたアルバムに仕上がっています。(若干のマンネリ感も?)
安レコ買い好きのドケチな私、WR的な曲ははあまり好きではなかったこともあり、見かけても財布の中身と期待度を天秤にかけ購入を見送っていましたが、'00年頃、CD再発された直後にLPが低価格で市場に流れたところをハイエナのように飛びつきました。


<ギターの聴きどころ>

A1,ポップに始まります。しかし、曲調は目まぐるしく変化しキメの多さもいつも通りです。松木さんはメロウ部分でソロを取りますが、浮遊感の強いエフェクト処理でPat Methenyのようなサウンドです。ハード部分の岡沢さんのブリブリベースとは対照的です。
Jazz界でもカバーが多いA2,Benson的なサウンドとスタイルでの抑揚あるプレイ、タイトルと反してスリル感とハードボイルド感を感じさせます。
軽快なLatin風のA3、ソロは意表を突いてハードなディストーションサウンドです。トリッキーな入りからロングトーン主体の流れるようなソロです。いつもの松木さんとは違う一面を見せています。後半のカッティングはいつもの松木さんです。
片面のラストを飾るにふさわしい幻想的なA4では、当時の流行のコーラスサウンドでのアルペジオでの控えめな参加です。
岡沢さんのヴォーカルが渋いB1,松木さんもヴォイスバッグを駆使したコーラスで参戦しています。本職のギターの方では、オクターブも交えたツボを押さえたカッティングでGrooveを作っています。
スタンダードのB2,この曲でもコーラスサウンドで変化のあるリフバッキングを披露しています。複雑なリズムでのキメなどテクニカルな面も強調されていて、次のB3でのディストーション+コーラスサウンドでのソロ共々、好みが分かれるところではないでしょうか?
ラストのシャッフルB4、ダブルストップのイントロから期待が高まります。ソロは、Gale+Dupree風味に独特のヒネリを加えたBluesyなプレイです。本作では、様々なサウンドやプレイスタイルを使い分けていましたが、この曲でようやく私にとって馴染み深い松木節が聴けました。
コルゲンさんがWR志向で松木さんがStuff志向であったのではと思います。この頃からは志向の違いが明らかになり、次のライブ盤一枚残して解散してしまうのもやむをえないことだったのではないでしょうか?知る限りでは解散後A3のようなプレイを聴いたことはありません。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ B4聴いてください
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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