LeRoy Hutson / Hutson (1975) – Phil Upchurch

メロウなムードに独特のスパイス感を加える個性的なプレイです。

A1. All Because Of You
 2. I Bless The Day
 3. It's Different

 
B1. Cool Out
 2. Lucky Fellow
 3. Can't Stay Away
 4. So Much Love
 


 
Leroy Hutson の'75年の作品です。Wikiによれば、Howard UniversityでDonny Hathawayとルームメイトであったと言うことで、そのつながりでCurtis Mayfield脱退後の The Impressionsのリードシンガーに抜擢された経歴を持つようです。その後ソロでヴォーカリストとしてだけではなく、プロデューサー、ソングライター、キーボーディスとして幅広く活動しました。DonnyやCurtisとの関係性もありNew Soulに括られることが多く、知名度やセールスではいわゆる「四天王」に及びませんでしたが、独特のメロウ感(と中庸感)を持つ魅力的なアーティストです。本作はCutrtisのCurtonレーベルからのソロ3作目で、前作までのイナタさ(Little Beaverと共通したものを感じました)が薄れ洗練度が一気に高まっています。
90年代の頭にはFree Soulのコンピで度々取り上げられていたので名前はなんとなく覚えていましたが、数年後に特価品のベスト盤でHutsonを知り、そこからレコードを集め始めました。本作のUSオリジナルは結構な値段だったので比較的安価だったUK盤を買いました。傷が多かったので中古のCDでも買い直しています。そっちの方が断然安かった!

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケにはAcoustic & Electric GuitarsとしてUpchurchの名前があります。(一方、Stephen HarrisとCraig McMullenは連名でGuitarsと書かれています。何が違うのでしょうか?)
A1のドラムの長いイントロに続く効果音的サウンドからのWahプレイ、スロウのA2でのヴァイオリン奏法やFenderのアンプと思われるヴィブラートのエフェクトを巧みに取り入れたオブリ、女性の声がセクシーなA3でのWahとアコギの左右のコンビネーション、インストのB1でのDavid T.を意識したようでそうは聴こえないオブリ、Marvinや Leon Wareをちょっと薄くしたようなB2での効果音的的なプレイからエモいWahサウンドへの移行、語りが印象的なB2でのダブルストップのグリッサンドやヴァイオリン奏法、BossaとJazzyなおぶりの組み合わせのB4、どれmpヴォーカルや全体のアンサンブルとの協調を大事にしながらも一筋縄では行かないひねりの効いた個性的なプレイで爪痕を残しています(全部がUpchurchのプレイかどうかはわかりませんが)。何度も書いていますが、世間で言われているような燻し銀ではないと思います。
なお、Donnyながりなのでしょうか、本作以外でも2枚目以降の複数の作品にUpcurchが参加していて、ソロはありませんが個性的なサウンドとプレイでアルバムに強烈なスパイス感を加えています。Upchurchファンの方も、今や死語となった?Free Soulファンの方も合わせて聴いてみてください。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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