金子晴美 & Ron Carter / I’m Walkin’ (1988) -Eric Gale

JazzでのGale節!

 1. I'm Walkin'
 2. Sweet Georgia Brown
 3. Gee Baby, Ain't I Good To You
 4. Squatty Boo
 5. Moanin'
 6. Cute
 7. Baby, Won't You Please Come Home
 8. In A Mellow Tone
 9. What A Little Moonlight Can Do
10. Take The A Train

金子晴美さんの’88年の作品です。Ron Carterとの共有名義盤で、Carterがウッドベースの演奏だけでなく、プロデュース、アレンジまで担当しています。1stの『I Love New York」にも参加していたGrady Tate(Ds,3,7ではデュエットも)など、その人脈で集められたメンバーがバックを固めています。ジャズスタンダードのカバー中心で、時はシンセやリズムマシン全盛期であるにもかかわらず、電気楽器はエレキギターだけ、という潔い音作りが逆に新鮮です。金子晴美さんのヴォーカルも、艶とハリといい意味でのワイルドさを増し、迫力に溢れています。(例えは変ですが、Marlena Shaw姐御や、Carmen McCrae的な雰囲気を感じました)
この盤は、発売当時、Jazz LifeやSwing Jarnalのレコード評でベタ褒めされており(当然立ち読みです)ましたが、当時のCDの3200円という価格に慄いて、見送ってしまいました。その後、松木さん参加のName Is Harumiや、桑田佳祐さんのカバーのSpecial 聴いた時に思い出し、結局定価以上の価格で中古品を買いました。でも、内容的には大満足です。本当はレコードが欲しかったのですが、見かけたことがありません。
それにしても、90年代に入ると金子晴美さんの新作が途絶えてしまったことが残念です。

<ギターの聴きどころ>
Galeは、スペシャルゲストとして、1.4.5.の3曲に参加しています。
Fats Dominoの1.ではブルージーかつスインギーなビートに乗ってヴォーカルが弾けます。Galeもコードの刻みでバックアップし、
ソロでは朗々と歌い上げます。ペンタだけではない音使いもしていますが、盛り上がってくるといつものチョーキング&ビブラートのGale節が出てきます。
4は、コードバッキングや何度かの短いソロなどKenny BurrellやJimmy Ponderかと思うほど滑らかですが、ところどころでGaleならではのタメやツッコミが登場します。
続く有名曲の5、ロングソロでは、Jazzyに弾こうとしている部分と、本能的に現れるGale節が交錯していて面白いです。
どの曲も、Jazzもできるが俺には俺のスタイルがある、と言わんばかりのプレイです。この頃は、やや小ぶり(16インチ)のL4CESかと思いますが、ややディストーションが薄い、リバーブが濃いもののサウンドの本質も変わりません。個性を貫きながらどんな曲にもマッチングさせていくところはこのアルバムでも健在でした。この頃Jazzに回帰を始めたRitenourだったら全然違うサウンド、プレイであっただろうと想像するとなんとなく面白いです。
もう一人のGene Bertoncini、10での電気ギター使用を除き、ガットギター(!)でのコードの刻みが殆どですが、大好きな31、どの曲でもいい味を出しています。初めて聴くギタリストでしたがWikiで調べたら多くのリーダーアルバムを出しているようです。なぜガット?俺も粗大ゴミで拾ってきたガットギターで挑戦するか!(ネックの太さと弦高が335の倍ぐらいあり、なかなかに手強いギターです)

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡        

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