福村 博 / Hunt Up Wind (1978) – Cornell Dupree

A1. Hunt Up Wind
 2. That's Enough For Me
 3. Jongo
 4. Mr. Blue 

B1. Pogo
 2. White Clouds
 3. Captain Caribe
 4. To Say Goodbye


 
 
ボントロ(この言い方が昭和ですね・・)奏者の福村さんの'78年の作品です。帯に書かれているとおり師匠である渡辺貞夫さんとの録音です。バックも Don Grusin、Cornell Dupree、Chuck Rainey、Harvey Mason、Paulinho Da Costa と豪華です。これだけの面々ですので録音もたった1日で終わったようです。そのためか、貞夫さんと福村さんのコンビネーションは練られている感じがありますが、他のメンバーの演奏はいい意味で荒削りなライブ感というかTAKE1でOK感があります。Dupreeの参加もあり、ジャケ買いなのですが、ボントロの見かけの金属感とは異なる柔らかい音が好きで(私めも小学生の時にホルンを吹いていたので勝手に親近感を感じています。今はホラしか吹けませんが・・・)、抑揚のある福村さんの演奏でよりヒューマンな印象を受けました。

<ギターの聴きどころ>

福村さんのボントロの柔らかさとは対照的に、硬質なテレキャスの音です。リバーブが深いので乾いた感はありません。フロント&リアのミックスも本作では多用しているように思います。A1は、エレピに被るようなコードの流しからラフなカッティングに移行していきます。この曲のリズム隊のグルーブは何度聞いても痺れます。大好きなA2は、カッティングの合間にスライドを絡めたオブリです。盟友のGaleもPatti Ausutinのアルバムで演っていますが全く別のプレイになっていて面白いです。ラテン調のA3では、パキパキとしたテレキャスの音(フロント&リアのミックス?)で、リズムに乗った流れるソロ(というかフィンガーボード上を左手が滑るように動くソロ)です。他の曲もそうなのですが、カッティングも微妙にジャストではなく、独特のノリを生んでいます。Michael FranksのカバーA4では、ヴァイオリン奏法などを交えたオブリでムードを作ります。(原曲はCarltonが弾いてます)B1.はラフなカッティングで曲が始まり、パーカッシブかつブルージーなロングソロを聴かせます。幻想的なB2では、コード譜を自己流に弾いていて、セッション感が滲み出ています。RitenourのB3は、原曲より若干テンポを上げていますが、忠実にメロディを辿る福村さんと貞夫さんのバックで、結構好き勝手に弾いてます。ソロもRitenourのフレイズは全く無視のDupree節で、そもそも原曲を聞いたことがあるのか?という感じです。流石!全編を通して、暖かさとクールさが並存するサウンドとフレーズで、Dupreeファンには聴きごたえ十分です。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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