井上順 / 微笑をあなたに (1986) – 松木恒秀

微笑みに溢れた優しい歌とギターです。

A. 微笑をあなたに
B. 微笑をあなたに(インストゥルメンタル)


 
井上順さんの'86年の作品です。「微笑」つながりで大場久美子さんに続いて紹介させてください。井上順さん、自分にとっては「夜もヒットスタジオ」の司会者の印象が強いのですが、古くはGSのザ・スパイダースのヴォーカル&サイドタンバリン(自称)で活躍し、その後も長い芸能活動の中で歌手としてレコードをリリースしてい流ようです。本作はその中の1枚で、帯にはフジテレビ系放映中「ファーストクラス」テーマソングと書かれていますが、ネットで検索しても2014年の沢尻エリカさん主演のドラマしかヒットせず、当時受験生でテレビも見ていなかったのでどのような番組なのかは分かりません。裏ジャケにはダブルのソフトスーツ&金時計でイタリア人顔の井上順さんがファーストクラスの席に座って赤ワインを飲んでいます。(全くの余談ですが、私めもイタリア顔で友人からは「陰気なイタリアン」と呼ばれております)
本作は、Twitterでフォローさせていただいている松木さんに詳しい方がYoutubeにあげており、その存在を知りました。EP盤のシングルと勘違いし、探しても全然見つけられずにおりましたが、1年ほど前、茶水のJazz館の渡辺貞夫さんのところに12インチシングルとして入っていました。なぜに?と思って見てみると作曲・プロデュース・アルトサックスが貞夫さんでした。主役を食うとはさすが世界のナベサダ!(3の時にアホになるナベアツちゃいますよ)
そして、下にはギター・ベース・コーラスに松木恒秀、としっかり書かれていました。(編曲・キーボードは野力さん)
1400円、1曲あたり700円か?裏には見本品のシールが貼ってあるのに、などとケチな計算をしつつもこれを逃したら買えないと思い、レジに向かいました。

<ギターの聴きどころ>

やや無機的に感じられるリズム音(クレジットにドラムの記載がないので当時流行りのシンクラヴィアかフェアライト?)に続いて、ヒューマンな松木さんのギターと貞夫さんのアルトが入ってきます。主役の人柄が滲み出るような優しいヴォーカルのバックでは、左右のガットによるバッキングと、ヴァイオリン奏法やオクターブを駆使した愛機ES-350(おそらく)によるオブリで、更なる優しさを加えます。貞夫さんのソロもメロウです。
B面はインストゥルメンタルです。この当時のシングル盤B面はヴォーカルを抜いたカラオケバージョンが横行しておりましたが(意味あったのでしょうか。手抜きにしか思えませんでした。ほとんど買ってませんが)、本作はアレンジも変え、インストの楽曲として成立しています。テーマは松木さんのコーラス!(音程を機械的に変えていると思います)と野力さんのエレピが担当し、バッキングはエレクトリックでのミュートカッティングにBluesyなオブリを加えています。ソロは(バッキングも)当時流行りのコーラスサウンドですが、タメが効いた松木節でいつにも増してメロウです。ベースもチョッパーなど交え上手いです。
ベスト盤のCDにはA面が入っているようですが、本作の魅力はB面にもあり、松木さんファンの方は是非探して聴いてください。

Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

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