阿川泰子 / Soft Wings (1982) – 松木恒秀

Bensonっぽいソロが聴けます。

A1. Overture (The Departure)
 2. It Might As Well Be Spring 
 3. Love Is Here To Stay 
 4. When You Wish Upon A Star ~Over The Rainbow
 5. Summertime
 6. 's Wonderful ~ But Not For Me
 7. The Man I Love
 
B1. My Funny Valentine
 2. Dear Heart ~ Moon River ~ Sharade ~ The Days Of Wine And Roses
 3. Skindo Le-Le
 4. Take The "A" Train
 5. Who Can I Turn To



阿川泰子さんの'82年の作品です。初のライブ盤で、The Players、高橋達也と東京ユニオン、新東京シンフォニーによるストリングス(サブタイトルでオンストリングスが追加されています)などの総勢60名以上にも及ぶ豪華なメンバーをバックにNHKホールで収録されています。当時の阿川さんの人気が窺われます。ジャケットもメイクアップされたご本人の写真で、歌だけではなく、アイドルとは言わなくても総合エンターテイナー的な売り出し方を試行していたのだと思われます。(のちにTV番組の司会もやっていたような??)
内容の方は、スタンダードを中心に、これまでのアルバムに収録された曲、ライブ盤でしか聴けない曲を取り混ぜた選曲です。
帯にも裏ジャケにもクレジットはありませんが、阿川さんの初期の一連の作品の多くに松木さんが参加していることから90年代の半ばにUnionのエサ箱から購入しました。300円だったと思います。





<聴きどころ>

松木さんはThe Playersの一員として全曲に参加しています。しかし、ビッグバンドやストリングスとの共演ということもあって、ソロは1曲のみの役割をわきまえた?プレイに徹しています。チャンネルは基本右です。
コルゲンさん作のA1、ブラスの響きで幕を開けます。松木さんはPlayersの面面と共に甘いサウンドによるオクターブを含めたカッティングで入ってきます。
続くA2でも、”Love Bird”でのプレイと同様に柔らかいながらGrooveを感じさせるカッティングです
A3では、微かに聴こえる程度のコードの4つ切りです。
メドレーのA4、流麗なストリングスが伴奏のメインですが、ほんの数カ所Jazzyなオブリを入れてきて味わい深いプレイです。
A5では唯一大フューチャーです。スロウテンポでオクターブのオブリをフリーに入れ、テンポチェンジ後にはGroovyな岡沢さんと渡嘉敷さんのリズムに乗って、Bensonばりのオクターブを中心としたソロを聴かせてくれています。松木さん、古いAdlibのBenson解説記事に「音符の匂いがする」として、あまり好きなタイプの演奏家ではないとの記述をしていますが、この曲でのプレイはBensonを彷彿とさせるプレイです。(HIPのライブでも”Breezin'”収録のAffirmationやってました。アコギで!)言葉裏腹で実は結構影響を受けたのでしょうか?
同記事でもBensonと大好きと明言するGaleとWes Montgomeryの共通性にも言及しているので発展系と見るべきでしょうか?
B3での柔らかくもノリのいいカッティング(スタジオ盤”Sunglow”では土方隆行さんが弾いています)、B4のイントロでのエフェクティブな遊びやバックでの控えめなカッティング、ラストのスロウでの松木バッキング(耳をすまさないと聴こえない程度)などが聴けますが、冒頭に記述の通り、音量もプレイも控えめです。
本作、相当売れたのでしょうか、今でもUnionのエサ箱で頻繁に見かけます。ほとんどワンコイン以内の値段ですので見かけたらぜひ買って聴いてください。



Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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